研究課題/領域番号 |
19H02891
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38040:生物有機化学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
及川 英秋 北海道大学, 理学研究院, 特任教授 (00185175)
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研究分担者 |
南 篤志 北海道大学, 理学研究院, 准教授 (40507191)
尾崎 太郎 北海道大学, 理学研究院, 助教 (40709060)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)
2021年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2019年度: 9,230千円 (直接経費: 7,100千円、間接経費: 2,130千円)
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キーワード | 担子菌 / 天然物 / ゲノム編集 / 生合成 / ゲノムマイニング / 異種発現 / テルペン / 麹菌 |
研究開始時の研究の概要 |
最近我々は担子菌由来の複雑な構造を有する多様な生物活性天然物の麹菌異種発現による生産に初めて成功したが、この過程で担子菌ではsplicingの厳密さにかけ、調製が困難なcDNA配列ではなくゲノム配列を直接利用した生産が可能なことを見出した。そこで本研究では、まず担子菌ゲノム上に多数見出され、発現容易なテルペン環化酵素による物質生産を行う。また従来の異種発現でも 問題となる形質転換効率および高生産株の取得を改善するため、我々が選抜した天然物高生産形質転換株で見つかったhot spotへのゲノム編集法を使って天然物生産の迅速化を検討する。
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研究成果の概要 |
担子菌由来天然物の生合成遺伝子を利用した合成法を確立するため、ゲノム編集を用いたCas9プラスミドのマーカーリサイクリングと、高発現株のゲノム解析により同定したHot spotへのknockinを組み合わせた手法を開発した。神経成長因子の合成促進作用を持つジテルペンerinacine類および抗腫瘍性物質melleolideの全遺伝子の導入による麹菌による効率的生産を達成した。これに加え、Hot spot-ノックイン法の適用例を増やすべく、生物活性糸状菌代謝産物の機能解析を行い、顕著な成果をあげることに成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
生合成遺伝子の発現による物質生産は、近年実現した新たな物質生産法であり、現在までにゲノム解析株が1600株以上公開されていながら、我々の研究成果が報告されるまで、ほとんど例がなかった。今回担子菌由来の天然物生産におけるスプライシングの問題を解決するため、新たに汎用性の高いHot spot-ノックイン発現法を開発し、その適用により初めて汎用的な生産が可能になった。ここで開発された手法は、担子菌のみならず子嚢菌を含めた糸状菌の代謝産物が生産にも応用出来る点は注目に値する。
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