研究課題/領域番号 |
19H02902
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38050:食品科学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
戸田 雅子 東北大学, 農学研究科, 教授 (10828429)
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研究分担者 |
佐分利 亘 北海道大学, 農学研究院, 准教授 (00598089)
比能 洋 北海道大学, 先端生命科学研究院, 教授 (70333333)
新谷 尚弘 東北大学, 農学研究科, 教授 (70374973)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
17,940千円 (直接経費: 13,800千円、間接経費: 4,140千円)
2021年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2020年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2019年度: 11,830千円 (直接経費: 9,100千円、間接経費: 2,730千円)
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キーワード | mannose / mannan / dendritic cells / 樹状細胞 / マンノース / 免疫機能性 / マンノ-ス / 免疫機能 / 免疫調整機能 / 免疫調製機能 / アレルギ- |
研究開始時の研究の概要 |
真菌類や植物には結合様式の異なる様々なα型とβ型のマンナン(D-マンノ-スを含む多糖類)が含まれる。マンナンは「免疫系に対する機能を持つ食品成分」と注目され、その機能性の科学的解析が求められている。本研究はマンノ-ス骨格を持つ分子の免疫学的な意義を明らかすることを目的とする。α型やβ型マンナンのコア構造を持つオリゴマ-を用いて、免疫調節性を発現するマンナン骨格を、樹状細胞の培養系や炎症性疾患マウスモデルにおいて同定する。さらにマンナン分子の免疫調節性の作用機序を解明する。また、日本の国菌と言われる「麹菌」を用いてマンノシル化アレルゲンを調製し、抗アレルギ-作用を持つマンナン分子の作製を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究はマンノース骨格を持つ分子の免疫機能性と機能発現機序の解明を目的とした。α型マンノオリゴ糖に関しては、鎖長の長いα-1,6結合を持つ分子が、リポ多糖類(LPS)に対する骨髄由来マウス樹状細胞の応答を抑制した。β型マンノオリゴ糖に関しては、β-1,4-マンノビオースがトル様受容体4を介して樹状細胞を賦活化することを明らかにした。一方、酵母由来αマンナンはLPSと共刺激により、樹状細胞における抗炎症性応答を促進した。細胞メタボローム解析の結果、解糖系産物乳酸レベルの亢進やTCA回路・炎症性代謝物コハク酸レベルの抑制などの代謝介入がα型マンナンによる抗炎症応答誘導に関与することを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
食品や微生物にはマンノ-ス骨格を持つ分子が含まれており、健康増進への活用が期待されている。本研究では、各種マンノース骨格を持つ分子の免疫機能性やその機能性発現機序を明らかにした。β型マンノオリゴ糖の中ではβ-1,4-マンノビオースが樹状細胞に対して賦活化能を持ち、一方、酵母由来αマンナンは抗炎症性を誘導することを示した。特に、酵母由来αマンナンによる樹状細胞メタボローム変化についての知見は、細胞代謝やエピジェネティックな遺伝子発現を介した樹状細胞応答のさらなる新規機序の解明、そして免疫制御のストラテジー確立に結びつく。また、本研究は科学的根拠に基づく免疫機能食品の開発にも貢献すると考えられる。
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