研究課題/領域番号 |
19H02904
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38050:食品科学関連
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
西岡 昭博 山形大学, 大学院有機材料システム研究科, 教授 (50343075)
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研究分担者 |
香田 智則 山形大学, 大学院有機材料システム研究科, 准教授 (60261715)
藤田 直子 秋田県立大学, 生物資源科学部, 教授 (90315599)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)
2021年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2020年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2019年度: 10,400千円 (直接経費: 8,000千円、間接経費: 2,400千円)
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キーワード | 米澱粉 / レオロジー / 混練履歴 / 加工性 / 高分子鎖 / 澱粉 / 加工 / シミュレーション / プラスチック / 高分子鎖構造 / 加工法 |
研究開始時の研究の概要 |
「なぜ小麦には用途別の品種があるにも関わらず、米にはないのか?」という素朴な疑問に対し、我々は製パンなどに最適な澱粉の分子鎖構造を決定できれば、米でも用途別の品種開発が可能となるのではないかと考えた。本研究ではプラスチック材料を専門とする申請者の知見を異分野に直接応用することで『(1)澱粉の高分子鎖の形状やその分子運動の観点から生地の粘度等に代表される物性の制御手法を確立』し、『(2)製パンや製麺などへの成形性に優れた澱粉の高分子鎖構造を決定』する。最終的には『(3)澱粉の高分子鎖の形状やその運動までを考慮したグルテンや添加剤に頼らない「真に澱粉の力」のみによる加工技術の提案・開発』を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究は、プラスチック材料を専門とする研究代表者の知見を全くの異分野である食品科学や澱粉科学へ応用したものである。本研究により、二軸押出機による混練履歴は澱粉の分子鎖を切断し、せん断粘度を低下させることが分かった。これは、混練速度の増加に伴い顕著であった。さらに、澱粉の分子鎖形状により混練履歴の影響が異なることが分かった。アミロース含量が低いほどアミロペクチンが切断されやすく、アミロース含量の低い糯米澱粉の場合には混練部を持たないスクリュー中のせん断流れだけで低分子化することが分かった。澱粉生地の混練履歴は、製パン性にも大きく影響することが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の成果は、澱粉生地が加工時に受ける流動変形と加工後の生地のレオロジーおよび成形加工性の関係性を明らかにするという学術的意義をもつ。澱粉生地のレオロジー制御はグルテンアレルギーに対応するためのグルテンフリー食品の開発につながるという社会的意義をもつ。良好な成形性を示す小麦生地の粘弾性を担うグルテンを持たない米粉生地のみでグルテンフリー食品を開発するためには、米粉生地のレオロジーを詳細に制御することが必須となる。本研究により得られた知見は、米粉生地をグルテンフリー食品へ加工する際の重要な指針となり得る。
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