研究課題/領域番号 |
19H02911
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38050:食品科学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
佐藤 健司 京都大学, 農学研究科, 教授 (00202094)
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研究分担者 |
重村 泰毅 東京家政大学短期大学部, 短期大学部, 准教授 (20373178)
自見 至郎 福岡大学, 公私立大学の部局等, 研究特任教授 (30226360)
淺井 智子 奈良女子大学, 生活環境科学系, 助教 (50832036)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
12,350千円 (直接経費: 9,500千円、間接経費: 2,850千円)
2021年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2020年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2019年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
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キーワード | コラーゲン / 線維芽細胞 / Pro-Hyp / 創傷治癒 / 瘢痕化 / コラーゲンペプチド / 間葉系幹細胞 / p75NTR |
研究開始時の研究の概要 |
間葉系幹細胞マーカーである低親和性神経成長因子受容体(p75NTR)に着目して、Pro-Hyp等のコラーゲンジペプチドが特定の状態にある線維芽細胞に対してのみ増殖促進効果を持つことを明らかにする。マウス皮膚から遊走してきた線維芽細胞、および個体組織中の線維芽細胞の間葉系成体幹細胞マーカーの有無、およびコラーゲンペプチドの取り込み能を検討する。さらに、Pro-Hypの細胞増殖促進効果がこれらの性質により変化することを確認する。本研究によりコラーゲンペプチドの摂取によりなぜ正常組織の繊維化が生じずに創傷治癒が促進されるかを説明できることが期待できる。
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研究成果の概要 |
コラーゲンペプチドの摂取によりPro-Hypが増加することが知られていた。マウス皮膚から遊走してきた初代培養線維芽細胞は培養初期には間葉系幹細胞のマーカーでp75NTRを発現したが、培養を重ねるとp75NTRの発現を失った。FITC-Pro-Hypはp75NTR陽性線維芽細胞に特異的に取り込まれた。またPro-Hypはp75NTR陽性線維芽細胞を増殖させたが、陰性細胞には作用しなかった。これらの結果からPro-Hypは創傷治癒部位に集積する線維芽細胞の増殖を促進するが、正常組織中の線維芽細胞には作用しないことが明らかになった。動物においてもPro-Hypは創傷治癒を促進し、瘢痕化を抑制した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
コラーゲンペプチドの摂取により血中で増加するPro-Hypは正常組織の成熟した線維芽細胞には影響することなく、創傷治癒部位に集積する分化直後の線維芽細胞の増殖を促進することが明らかにした。この結果は、コラーゲンペプチドの摂取は正常組織に過剰な線維化を起こすことなく、創傷治癒を促進することを説明できる。さらに動物モデルにおいてもコラーゲンペプチド由来のPro-Hypは真皮の創傷治癒を促進することを確認した。さらに筋膜切除後の治癒においての瘢痕化も抑制した。
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