研究課題/領域番号 |
19H02912
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38050:食品科学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
宮本 敬久 九州大学, 農学研究院, 教授 (70190816)
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研究分担者 |
本城 賢一 九州大学, 農学研究院, 准教授 (00264101)
益田 時光 九州大学, 農学研究院, 助教 (90778060)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
17,810千円 (直接経費: 13,700千円、間接経費: 4,110千円)
2021年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2020年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2019年度: 10,010千円 (直接経費: 7,700千円、間接経費: 2,310千円)
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キーワード | ファージ / ファージ耐性菌 / 抗生物質耐性菌 / EDTA / ファージカクテル / 最適化 / ファージ耐性関与遺伝子 / ウェルシュ菌 / PriA / Pseudomonas属細菌 / 併用効果 / クロラムフェニコール / バクテリオファージ / 食中毒 / 低温 / 抗生物質耐性 / 食中毒細菌 / カンピロバクター / 腸管出血性大腸菌 / ポリフェノール / バイオフィルム / 遺伝子欠損株 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、食中毒細菌によるリスク低減のため、バクテリオファージ(以降ファージ)およびファージの効果を促進させる安全性の高い天然成分を併用した効果的な食中毒細菌制御に寄与する学術的基盤を確立する。このため、腸管出血性大腸菌、サルモネラ、カンピロバクター、黄色ブドウ球菌、リステリアに対する溶菌ファージを単離してその性質を明らかにする。また、細菌の持つ免疫システム以外の溶菌ファージに対する耐性化に関与するシステムを解明し、ファージ耐性化を阻害する天然成分を植物抽出物などから見出してファージとの併用効果のメカニズムを解明する。
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研究成果の概要 |
食中毒細菌の非加熱制御法開発の基礎となる学術的基盤確立を目的とした。種々の食品から、抗生物質耐性菌を含む種々の食中毒細菌に対する溶菌ファージの単離に成功し、その特性を解明した。これらには低温でも溶菌活性を示すものが含まれた。大腸菌一遺伝子欠損株ライブラリーから、野生株に比べファージ感受性の高い遺伝子欠損株を10株同定した。このうちDnaK及びPriAタンパク質に対する機能阻害が報告されているミリスチンおよびクロラムフェニコールは、それぞれファージとの併用は細菌のファージ感受性を高め、耐性菌の再増殖を抑制した。食品添加物EDTAとの併用もファージ感受性向上と耐性菌の生育抑制に有効であった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の成果は以下の点で学術的、社会的な意義がある。海外で流行している食中毒細菌の菌株(遺伝子型や表現型)は、日本で食中毒を起こしている菌株とは異なるため、日本で問題となっている食中毒細菌の菌株に対して有効なファージを日本で分離して実用化する必要がある。今後、チルド流通による加熱殺菌後の高品質な食品のロングライフ化が期待されている。従って、低温保存中にも食中毒細菌を効率的に制御できるファージはチルド流通食品の安全性確保に必要である。ファージ感受性に関与する遺伝子の同定は細菌のファージ耐性化機構の抑制を可能とする学術的基盤となるもので食中毒細菌制御におけるファージ実用化のためには重要である。
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