研究課題/領域番号 |
19H02916
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38050:食品科学関連
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研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
竹中 麻子 明治大学, 農学部, 専任教授 (40231401)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
15,600千円 (直接経費: 12,000千円、間接経費: 3,600千円)
2021年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2020年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2019年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
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キーワード | protein deficiency / IGF-I / FGF21 / VLDL receptor / タンパク質欠乏 / VLDLR / VLDL受容体 / 脂肪肝 |
研究開始時の研究の概要 |
タンパク質欠乏時には成長停止・筋肉量低下などの栄養欠乏症状が現れる一方で、肝臓には異所性脂肪蓄積がみられる。本研究では、「タンパク質欠乏時のFGF21増加がIGF-Iの血中濃度低下を介して筋タンパク質量低下を引き起こし、余剰のエネルギーが生じる。同時に肝臓でVLDL受容体(VLDLR)が高発現し、肝臓にVLDLを取り込むことによって脂肪が蓄積する。」という新しい脂肪肝生成機構を検証する。具体的には、①FGF21合成増加と血中IGF-I濃度の低下で生じる筋肉量の減少が脂肪肝形成を引き起こす、②脂肪肝発症の直接的な要因はVLDLRによるリポタンパク質取り込みである、の2点を明らかにする。
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研究成果の概要 |
本研究では、タンパク質欠乏時に肝臓脂肪が増加する新たなメカニズムの解明を目的として、「タンパク質欠乏時のFGF21増加がIGF-Iの血中濃度低下を介して筋重量低下を引き起こし、余剰のエネルギーが生じる。同時に肝臓でVLDLRが高発現し、VLDLを取り込むことによって肝臓に蓄積する」という仮説の検証を試みた。得られた研究成果から、「タンパク質欠乏時のIGF-Iの血中濃度低下が筋重量低下を引き起こし、余剰のエネルギーが糖として肝臓に取り込まれ、脂肪として蓄積する」という新たな機構を明らかにすることができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
タンパク質欠乏下において、体タンパク質合成の材料であるアミノ酸が不足していてもIGF-Iが存在すれば体タンパク質合成が活性化・維持されることを示した点、および肝臓VLDLR増加が必ずしも脂肪肝を引き起こさないことを示した点で、本研究は学術的意義のある成果を出すことができた。また、本研究で対象とするタンパク質欠乏時の肝臓脂肪増加は、筋肉量低下を伴う高齢者などにおける異所性脂肪蓄積のモデルとなる。異所性脂肪蓄積における筋肉量低下やIGF-I低下の意義を示すことで、その予防に貢献することが期待される。
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