研究課題/領域番号 |
19H02917
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38060:応用分子細胞生物学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
尾之内 均 北海道大学, 農学研究院, 教授 (50322839)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,160千円 (直接経費: 13,200千円、間接経費: 3,960千円)
2022年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2019年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
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キーワード | 上流ORF / リボソーム / ストレス応答 / 新生鎖 / uORF / 環境応答 / 栄養応答 |
研究開始時の研究の概要 |
mRNA の 5′非翻訳領域に上流ORF (uORF) と呼ばれる小さな ORF が存在し、そこにコードされるペプチドが自身を翻訳したリボソームの機能に影響を与えることによって翻訳を制御する場合がある。研究代表者はこれまでに植物において、ストレス、栄養状態、細胞分化状態など様々な細胞内環境に応答した翻訳制御に関与する uORF ペプチドを見出した。本研究は、uORFペプチドが細胞内環境を感知してリボソーム機能を制御する未知の機構を明らかにすることを目的とする。さらに、作物において翻訳を抑制する uORF をゲノム編集を用いて破壊することにより、有用な形質を持つ作物の作出を目指す。
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研究成果の概要 |
真核生物のmRNAの5'非翻訳領域に存在する上流ORFと呼ばれる配列がタンパク質の発現制御に関与する場合がある。本研究では、植物のある遺伝子の上流ORFが翻訳された際に翻訳複合体がマグネシウム濃度を感知してタンパク質発現量を調節し、細胞内マグネシウム濃度の恒常性維持に関与することを見出した。また、植物のポリアミン合成酵素遺伝子では、通常とは異なる開始コドン(非AUG開始コドン)で始まる上流ORFがポリアミンに応答したフィードバック発現制御に関与することを見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により、マグネシウムやポリアミンの細胞内濃度を感知して恒常性を維持するための新たな機構が発見された。マグネシウムは植物の生育に必要な多量要素の一つであり、ポリアミンは植物の環境ストレス耐性に関与することが知られている。したがって、本研究の発見は植物生理学や分子生物学の分野に学術的なインパクトを与えるだけでなく、将来的には栄養欠乏環境やストレス環境における作物の生育改善などの応用につながることが期待できる。
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