研究課題/領域番号 |
19H02919
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38060:応用分子細胞生物学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
石田 宏幸 東北大学, 農学研究科, 教授 (60312625)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2022年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2021年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2020年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2019年度: 5,980千円 (直接経費: 4,600千円、間接経費: 1,380千円)
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キーワード | オートファジー / 葉緑体 / 栄養リサイクル / Rubisco |
研究開始時の研究の概要 |
葉緑体には窒素栄養の多くが分配されタンパク質として機能している。Rubiscoなどの主要な葉緑体タンパク質は葉の老化時や栄養飢餓条件下では分解され、転流窒素源や糖の代替呼吸基質として個体の成長や生存に重要なリソースとなる。オートファジーは様々な発生過程や飢餓などのストレス条件下で働く真核生物に普遍の細胞内分解システムである。葉緑体は特異小胞RCB(Rubisco-containing body)としてピースミール(部分的・段階的な)オートファジーにより液胞に運ばれ分解されるが、その詳細な機構は不明である。本研究では、葉緑体のピースミールオートファジーの機構について明らかにすることを目的とする。
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研究実績の概要 |
本年度は以下の2項目を中心に解析を行った。 1. RCBおよびプラスチドボディー(PB)の膜動態の解析:葉緑体のRCBを介したピースミールオートファジーの過程では、隔離膜が葉緑体表面の突出構造にとりつきくびれを生じさせ、最終的に小胞形成に至る様子が、隔離膜やオートファゴソームのマーカーであるGFP-ATG8を用いた解析で確認された。サイトゾルにプラスチドボディー(PB)を過剰蓄積するgfs9変異体においても、同種のマーカーであるRFP-ATG8がプラスチド表面の突出構造を覆うように局在していることが確認された。しかしながらgfs9変異体において形成後のほとんどのPBにはRFP-ATG8のシグナルは見られなかった。この結果は、gfs9においてプラスチドボディーはプラスチド本体から切り出される途中や、その直後はRFP-ATG8eでラベルされたオートファゴソーム膜に包まれているが、その後はオートファゴソーム膜が失われた状態で蓄積していることを示唆した。
2.RCB経路におけるATG8アイソフォームの役割の解析:ATG8をa~dの4種類持つイネを材料に、ゲノム編集技術により各ATG8遺伝子をノックアウトさせた系統を複数作出した。さらに作出したATG8シングルノックアウト変異体を交配させ、ATG8ダブル及びトリプルノックアウト変異体を複数系統確保した。総ATG8タンパク質の蓄積に対して最も寄与が大きいのはATG8c遺伝子であった。一方、ATG8aシングルノックアウト、 ATG8bシングルノックアウト、 及びATG8abダブルノックアウトは、ATG8タンパク質の蓄積に対して影響を与えなかった。ATG8dについては、ATG8a~cと異なり、調べた限りの組織や時期においてタンパク質レベルでの発現が確認されなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ATG8ノックアウト変異体については、目的とするATG8a~dすべてについて確かな系統を複数確保することができた。
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今後の研究の推進方策 |
作出したATG8ノックアウト変異体におけるRCB経路発動の解析を進めて、論文化を目指す。
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