研究課題/領域番号 |
19H02931
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分39010:遺伝育種科学関連
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
加藤 鎌司 岡山大学, 環境生命科学学域, 教授 (40161096)
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研究分担者 |
西田 英隆 岡山大学, 環境生命科学学域, 准教授 (30379820)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2021年度: 4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2020年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2019年度: 8,060千円 (直接経費: 6,200千円、間接経費: 1,860千円)
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キーワード | コムギ / オオムギ / 出穂期 / 不安定性 / 分子遺伝学 / 育種 / デュラムコムギ / 育種学 / 遺伝育種学 / 出穂期不安定性 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、気象の極端現象が頻発し、作物生産への影響が現実的な問題となっている。早生化が進められてきたわが国のムギ類品種は、暖冬条件で幼穂形成や出穂が早期化して寒の戻りによる凍霜害発生リスクが高いことから、新たな形質として出穂期不安定性に着目した育種が不可欠となっている。本研究では、出穂期不安定性系統として申請者らが注目しているコムギ・オオムギ品種について、表現型解析、出穂期決定遺伝子の特定、及び既知・新規出穂期遺伝子の発現解析などを行い、出穂期制御の環境応答及び出穂期不安定性の遺伝機構を解明し、育種的対応を可能にする。
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研究成果の概要 |
コムギ系統「超極早生」がもつ極早生遺伝子PCL1(概日時計遺伝子)が出穂期およびその不安定性に及ぼす効果を検討した.PCL1を三重劣性ホモでもつと出穂が2週間程度早まるとともに出穂期不安定性が大きくなることを明らかにした.デュラムコムギにおいても同様の結果が確認された.また,PCL1と相互作用して極早生化を可能にする新規早生遺伝子が1B染色体長腕および6B染色体短腕に座乗することが示唆された.オオムギでは,新たに同質遺伝子系統を作出して,出穂期およびその不安定化に及ぼす光受容体遺伝子HvPhyCと概日時計遺伝子Ppd-H1の相互作用を明らかにした.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ムギ類は一般に秋から初夏にかけて栽培されるので,安定生産のためには確実な越冬と最適時期の出穂・開花が不可欠である.ところが,地球規模での環境変動により出穂・開花時期の年次間変動(不安定化)が問題となっている.本研究では,コムギにおいて新規に特定した出穂期遺伝子PCL1および先行研究で特定したオオムギPhyC遺伝子が出穂期不安定性に関わることを明らかにした.これらの研究成果は,新規出穂期遺伝子の特定および不安定化機構の一端の解明という点で学術的に有意義である.加えて,地球環境変動下の世界各地におけるムギ類育種に大いに貢献するものと考えている.
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