研究課題/領域番号 |
19H02938
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分39020:作物生産科学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
根本 圭介 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 教授 (40211461)
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研究分担者 |
藤本 優 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 准教授 (60554475)
廣瀬 農 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 特任講師 (90708372)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2022年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2021年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2020年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2019年度: 6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
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キーワード | 作物 / 放射性セシウム / 地質的要因 / 地質 |
研究開始時の研究の概要 |
福島原発事故から8年が過ぎ、セシウム吸収抑制対策としての水田へのカリウム無償散布が打ち切られようとしている一方で、避難区域への帰還が始まり、予期せぬ作物のセシウム吸収被害の発生が懸念されている。ある作物がセシウムを吸収し易いかどうかは「作物と土壌タイプの組合せ」で決まり、「土壌タイプ」を決める主要な要因として「土壌の母岩」が重要な役割を果たしていると考えられる。本研究では、このメカニズムをオミクス解析やQTL解析を通じて解明するとともに、地質情報と作物別のセシウム吸収リスクから福島の農地のゾーニングを行い、被災地の農政や営農に資する。
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研究成果の概要 |
2011年の福島原発事故によるフォールアウトにより、阿武隈地域を中心に各種作物の放射性セシウム吸収が問題となってきた。事故直後から継続してきたモニタリングを通じて、作物の放射性セシウム吸収が土壌の母材の影響を強く受けることがあることが明らかとなったことから、本研究では、この問題をより深く考究した。母材の違いが放射性セシウム吸収に与える影響はイネ・トウモロコシで顕著である一方で、ソバ・ワラビでは軽微であった。母材の違いは、母材からのカリウムの放出と、放出されたカリウムの粘土粒子による保持のバランスに大きく影響していた。最後に、イネの放射性セシウム吸収の機構を、QTLの候補遺伝子から推定した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
1)原子力発電所事故による放射性物質のフォールアウトという未曾有の状況と環境を対象として、水田と森林における土壌-植物間の放射性セシウムの移行を、地質条件(土壌の母材の違い)に結びつけて解析した。 2)得られた知見を踏まえ、セシウム吸収抑制対策としてのカリウム増肥を止めた後の稲の放射性セシウム吸収のリスク評価に活用すべく、福島県伊達市内水田のセシウム吸収リスクマップを作成した。 3)現地のフォールアウト水田を使って、多様な品種組み合わせを活用しながらイネの放射性セシウム吸収に関わるQTLを網羅的に同定し、そのメカニズムを推定した。
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