研究課題/領域番号 |
19H02941
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分39020:作物生産科学関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
近藤 始彦 名古屋大学, 生命農学研究科, 教授 (00355538)
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研究分担者 |
杉浦 大輔 名古屋大学, 生命農学研究科, 講師 (50713913)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,940千円 (直接経費: 13,800千円、間接経費: 4,140千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2020年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2019年度: 11,570千円 (直接経費: 8,900千円、間接経費: 2,670千円)
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キーワード | イネ / 窒素固定 / エンドファイト / 炭水化物 / 品種 |
研究開始時の研究の概要 |
茎部NSCと窒素固定の関係を詳細に解析するとともに菌の基質利用性、酸素要求性の解明により窒素固定活性の促進を図る。多様な品種に加えて近年開発されてきている、茎部のNSC蓄積を増大させた変異体や組換え体も活用しながら炭素基質の供給の増強により窒素固定能力が高まるかを検証するとともに、有効な菌叢を明らかにする。さらにイネーエンドファイト間での光合成産物の動態や有効な菌叢の特性の解析ならびに窒素固定活性を向上させるために有用な遺伝要因、栽培条件を明らかにすることでイネの窒素獲得能のポテンシャルの向上を試みる。
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研究成果の概要 |
イネの体内窒素固定エンドファイトによる窒素固定活性の変動要因の解明と向上に関する生理・遺伝要因の解析を行った。茎部窒素固定能はNSC特に遊離糖の蓄積性の影響を受けることを明らかにし、アフリカイネCG14などで活性が高いことを見出した。またデンプン合成変異系統や遮光処理を用いた解析により糖類の関与を検証した。さらに窒素固定能の異なるイネ品種の茎部の菌叢解析を行い、主にα-,β-proteobacteria窒素固定菌が主体であることを示した。また圃場での積算窒素固定量を評価した結果、窒素吸収全体への寄与は比較的小さかったが、窒素施肥は積算窒素固定能には明確な影響を及ぼさなかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまでほとんど知見のなかったイネ地上部のエンドファイト窒素固定の変動要因や関与する窒素固定菌叢の一端を示すことができた。活性の品種差異の要因のひとつが窒素固定に必要なエネルギーを供給する基質である可能性は、今後の活性の遺伝的向上のひとつの方向を示すものと考えている。イネは世界において主要作物であり、窒素化学肥料の削減を実現できればそのインパクトは大きいと考える。現状ではエンドファイトの寄与は非常に小さいが、今後土壌および体内エンドファイトを統合的に向上させる要因をさらに解明することが有効であると考える。
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