研究課題/領域番号 |
19H02942
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分39020:作物生産科学関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
三屋 史朗 名古屋大学, 生命農学研究科, 准教授 (70432250)
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研究分担者 |
カルタヘーナ ジョイス 名古屋大学, 生命農学研究科, 准教授 (10519929)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2021年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2020年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2019年度: 8,450千円 (直接経費: 6,500千円、間接経費: 1,950千円)
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キーワード | イネ / 耐塩性 / 葉鞘 / 塩害 / 塩排除能 / 塩排除 / カリウム / 塩排出 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の最終目的はイネの耐塩性を向上させることである。塩害下でイネは主に塩(NaCl)を吸収し、光合成を行う葉身に高濃度塩が蓄積すると光合成が阻害されて生育と収量が著しく減少する。そのため、イネの耐塩性には葉身の塩蓄積を増加させないため、塩排除能と呼ばれる機構が重要である。本研究ではイネの葉鞘が有する塩排除能に注目し、イネ葉鞘における塩排除能の向上の鍵となる遺伝子、分子機構を明らかにする。葉鞘における塩排除能に関わる遺伝子や品種間差を生じる分子機構が明らかになれば、葉鞘の塩排除能の活性を増加させる育種に繋がり、イネの耐塩性向上に繋がる。
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研究成果の概要 |
本研究では、葉鞘の塩排除能の分子機構を解明することを目的として、葉鞘の塩排除能に関する遺伝子座、遺伝子の探索を行った。方法として品種間差を利用する方法と、関連遺伝子の突然変異系統を利用する方法の2つの方法で行った。まず品種間差を利用する方法では、葉鞘の塩排除能の異なる品種IR-44595と318を用いてQTL解析を行った。その結果、葉鞘の塩排除能に関わる遺伝子座が検出された。この発見は、葉鞘の塩排除能を向上させイネの耐塩性を向上させる可能性を示した。また、Tos17挿入による突然変異系統のスクリーニングにより、OsNHX1遺伝子が本形質に関わることが示され、本形質の分子機構が明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究成果の学術的意義は、イネの耐塩性に重要な葉鞘の塩排除能の分子機構が解明された点である。イネの耐塩性は特に根の塩排除能により説明され、分子機構の解明も根の塩排除能に偏っていた。本研究では葉鞘の塩排除能の分子機構をさらに解明した点が重要である。 さらに社会的意義であるが、近年の気候変動により海水面が上昇し沿岸地域での塩害被害がより甚大になっている。アジアの沿岸地域では特に稲作が盛んであり塩害は解決すべき重要な課題である。本研究で見出した葉鞘の塩排除に係るQTLはイネの耐塩性を向上させることができるため、特に沿岸地域で見られる塩害によるイネ収量の減少を抑える方法を見出した点が社会的に意義がある。
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