研究課題/領域番号 |
19H02949
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分39030:園芸科学関連
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
本勝 千歳 宮崎大学, 農学部, 准教授 (30381057)
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研究分担者 |
稲葉 丈人 宮崎大学, 農学部, 准教授 (00400185)
牛島 幸一郎 岡山大学, 環境生命科学学域, 准教授 (20379720)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2022年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2021年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2020年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2019年度: 5,980千円 (直接経費: 4,600千円、間接経費: 1,380千円)
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キーワード | カンキツ / 自家不和合性 / S-RNase / 果樹 / 園芸学 / F-Box |
研究開始時の研究の概要 |
自家受粉を行ったときに受精が阻害される自家不和合性は,結実性に影響を及ぼす農業上重要な形質である.いくつかのカンキツ属植物も自家不和合性を示すが,その分子メカニズムはほとんど明らかでない.本研究では,カンキツ属植物の自家不和合性にT2型RNase(T2 RNase)が関与しているとの仮説のもと,自家不和合性カンキツの一種であるヒュウガナツなどから獲得されているT2 RNase遺伝子の遺伝解析や,他の自家不和合性カンキツ属植物からの新規T2 RNase遺伝子の単離,ならびにT2 RNaseタンパク質の機能解析を通して,その仮説の検証を行う.
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研究成果の概要 |
カンキツ属植物の自家不和合性(SI)機構を明らかにするために,S-RNase様T2 RNase遺伝子のSIへの関与に対する検証を行った.ヒュウガナツより得たT2 RNaseの一種を大腸菌で発現させた組換えタンパク質を,in vitroでの発芽花粉に処理したところ花粉管伸長の抑制効果が見られた.また,交雑実生を用いた遺伝解析により,いくつかのT2 RNase遺伝子がS対立遺伝子の遺伝様式と一致することを確認した.さらに,カンキツ属植物でのT2 RNase遺伝子の多様性を明らかにした.以上よりこれらのT2 RNase遺伝子がカンキツ属植物のSIを支配するS-RNaseであると結論づけた.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
カンキツ属植物の自家不和合性については,その現象は古くから知られていたもののメカニズムに関する研究は長らく進展してこなかったが,本研究によってS-RNaseによって支配されているということが明らかになった.カンキツ属植物の自家不和合性は自家受粉による種子形成を制限するため,単為結果性カンキツを栽培する際の無核果生産に有用となる形質である,今後カンキツ属植物のS-RNase遺伝子型がより明らかになりDNAマーカーが開発されれば,新たな無核性カンキツ品種の育種の効率化が期待されるなど,社会的意義は大きいと考えられる.
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