研究課題/領域番号 |
19H02960
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分39040:植物保護科学関連
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研究機関 | 京都大学 (2020-2022) 立命館大学 (2019) |
研究代表者 |
峯 彰 京都大学, 農学研究科, 准教授 (80793819)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,160千円 (直接経費: 13,200千円、間接経費: 3,960千円)
2022年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2021年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2020年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2019年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
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キーワード | 植物免疫 / 遺伝子発現制御 / Long noncoding RNA / シグナル伝達 / 細胞間コミュニケーション / Long non-coding RNA |
研究開始時の研究の概要 |
病原体による農作物の減収は、現代農業が抱える最重要課題の一つである。植物は、病原体を認識し、自身の遺伝子の発現を変化させることで、抵抗性を発揮する。しかしながら、病原体に対する免疫応答において、遺伝子発現が「いつ」変化することが、抵抗性の発揮に重要であるかは不明であった。研究代表者らは、病原体の感染初期に起こる素早い遺伝子発現変動こそが抵抗性の発揮に必要であることを突き止めた。本研究では、この抵抗性を発揮するために必要な素早い遺伝子発現変動が起こる仕組みを解明し、遺伝子発現の人為的制御による耐病性植物の創出へ向けた研究基盤の形成を目指す。
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研究成果の概要 |
植物は遺伝子発現制御を通じて病害抵抗性を誘導するが、その仕組みには不明な点が多い。本研究では、研究代表者の先行研究において、免疫関連遺伝子の発現制御に関与すると推定されたAHL転写因子とlong non-coding RNA (lncRNA)の機能解析を進めた。AHL転写因子はクロマチン構造を変化させ、免疫関連遺伝子を転写制御に関わることを明らかにした。興味深いことに、このAHL転写因子の過剰発現体は、本来免疫が抑制される高温条件においても、抵抗性を発揮することを見出した。他方、lncRNAについては、それがコードする分泌型ペプチドが免疫応答だけでなく、生殖過程も制御することを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
植物の免疫応答はゲノムワイドな遺伝子発現変動を伴うが、その制御機構については不明な点が多い。本研究では、AHL転写因子による免疫関連遺伝子の制御機構の一端を明らかにした。特に、AHL転写因子の過剰発現が高温による抑制に対して頑健な病害抵抗性を付与するという発見は、深刻化する地球温暖化に対応した植物病害防除技術の開発に繋がるかもしれない。また、新規に発見したlncRNAがコードする分泌型ペプチドが、免疫応答の活性化だけでなく、生殖過程も調節することを発見した。この成果は、病害抵抗性の向上だけでなく、病原体感染による結実率の低下を緩和する技術開発に繋がるかもしれない。
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