研究課題/領域番号 |
19H02967
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分39050:昆虫科学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
永田 晋治 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 教授 (40345179)
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研究分担者 |
鈴木 雅京 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 准教授 (30360572)
倉石 貴透 金沢大学, 薬学系, 准教授 (90613167)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2021年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
2020年度: 5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
2019年度: 5,980千円 (直接経費: 4,600千円、間接経費: 1,380千円)
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キーワード | 昆虫 / 摂食行動 / 内分泌 / 共食い行動 / 脂質 / 雑食性 / 代謝 / 選好性 / ホルモン |
研究開始時の研究の概要 |
コオロギや鈴虫など雑食性昆虫は、植物食と動物食をバランスよく食べないと、成長・生殖・行動が異常となる。このバランス良く食べるメカニズムは、Self-selectionとして1930年代に提唱されているが、生理学的な研究に留まり、分子レベルで記述するには至っていない。申請者は、これまで雑食性のフタホシコオロギを用いて、栄養分選好性が脳神経系の分泌系と、脂肪体の代謝系が協働的に機能することを見い出した。そこで、Self-selectionの本質である「何を食べたいか」を分子レベルで解明することを最終目標とし、内分泌系を代謝系に関わる分子メカニズムの大枠を俯瞰することを目的とする。
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研究成果の概要 |
本研究では、雑食性のフタホシコオロギで、栄養分選好性を分子レベルで探究した。期間内には、以下の成果を得た。①NPF、インスリン様ペプチド、AKHが、脂質生合成経路と連携し行動調節していることが分かった。②栄養分のセンサーである側心体のRNA-Sequencing解析により、AKHを中心とした内分泌ネットワークを明らかにした。③食性を特徴づける餌成分として、脂質が重要であることが分かったが、化学構造の同定には至っていない。 本申請で掲げた最終目標まで到達できなかったものの、本成果の延長上に、全生物種で認められる本能的な栄養分選好性行動解明のパイロット研究となると期待できる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年、モデル昆虫化が進んでいるフタホシコオロギにおける内分泌系を網羅的に明らかにできたことは当該分野に貢献した。また、生物全般が持っている本能行動(摂食行動や共食い行動など)における分子レベルでの解明への大躍進ができた。 さらに、本研究で用いたフタホシコオロギは、近年に昆虫食で注目されている。この種の行動様式や代謝系が明らかになったことは、将来的に安全な代替タンパク質としてのフタホシコオロギを利用される可能性が高いことを考えると、本研究は生化学的な知見を増強する上で重要であったと考えられる。
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