研究課題/領域番号 |
19H02979
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分39060:生物資源保全学関連
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研究機関 | 大阪公立大学 (2022) 大阪府立大学 (2019-2021) |
研究代表者 |
平井 規央 大阪公立大学, 大学院農学研究科, 教授 (70305655)
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研究分担者 |
上田 昇平 大阪公立大学, 生命環境科学研究科, 准教授 (30553028)
矢後 勝也 東京大学, 総合研究博物館, 講師 (70571230)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
15,860千円 (直接経費: 12,200千円、間接経費: 3,660千円)
2021年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
2019年度: 7,670千円 (直接経費: 5,900千円、間接経費: 1,770千円)
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キーワード | ヒメシロチョウ / 保全 / 草原性 / マイクロサテライト / 遺伝的多様性 / ポリネーター / 絶滅危惧種 / チョウ類 / 草原性チョウ類 / マイクロサテライトマーカー / ツルフジバカマ / 結実率 / 生活史 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、大きな環境の変化がないにもかかわらず、急激に地域絶滅が加速している草原性のチョウ、ヒメシロチョウを主要な対象とし、本種の個体群絶滅が食草のツルフジバカマの衰退によるもので、それはポリネーターであるハナバチ類の欠如に起因する、という仮説を検証して、残存個体群の絶滅を防ぐことを目的とした調査実験を行う。野外調査と遺伝子解析を並行して行い、両者の結果を照合してチョウ類の減少とハナバチ類の授粉との因果関係を解明する。
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研究成果の概要 |
絶滅危惧種ヒメシロチョウの衰退要因を明らかにするために、生活史、寄主植物の繁殖状況、遺伝的多様性を調査した。その結果、本種はいずれの個体群においても長日で温度に依存した速度で世代を繰り返し、短日で蛹休眠に入ることが明らかになった。蛹休眠の臨界日長は高緯度ほど長かった。寄主植物の結実率等を調査したところ、低い値となる場合があり、寄主植物の衰退の要因となっている可能性が考えられた。マイクロサテライトマーカーの開発と解析の結果から、本種は個体群ごとに遺伝的に分化しており、本州の個体群ではある程度の遺伝的交流があるものの、九州の個体群では遺伝的多様性が低く、個体群の孤立が進んでいると考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年、生物多様性の低下が注目されているが、日本産チョウ類の衰退は著しく、70種以上がレッドリスト種となっている。これらの危機要因としては、開発、採集圧、外来種の影響などが挙げられているが、本研究では幼虫の寄主植物の衰退に注目し、さまざまな観点から検証を行った。これらの手法と結果は、他の絶滅危惧種の危機要因を考えるうえで新しい観点を加え、生物多様性の保全に寄与するものと考えられる。
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