研究課題/領域番号 |
19H02987
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分40010:森林科学関連
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
森 茂太 山形大学, 農学部, 客員教授 (60353885)
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研究分担者 |
山路 恵子 筑波大学, 生命環境系, 教授 (00420076)
石田 厚 京都大学, 生態学研究センター, 教授 (60343787)
小山 耕平 帯広畜産大学, 畜産学部, 助教 (70709170)
吉村 謙一 山形大学, 農学部, 准教授 (20640717)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,030千円 (直接経費: 13,100千円、間接経費: 3,930千円)
2021年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
2020年度: 6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2019年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
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キーワード | 個体呼吸 / スケーリング / 二酸化炭素収支 / 森林 / 根への配分 / 樹木根系 / 根系/地上部 / 個体光合成 / 個体蒸散速度 / 地上部呼吸 / 根系呼吸 / 根系配分 / 個体レベル / 水利用効率 / 個体呼吸速度 / 森林生態系 / 個体光合成速度 / 根系分配 / 個体生理学 / 物理化学的制御 / 樹木個体呼吸 / 根/地上部呼吸比 |
研究開始時の研究の概要 |
我々は個体呼吸を芽生え~大木(100種、約1000個体)で実測した。その結果、芽生えほど個体呼吸の根系/地上配分を高くし(約66%)、水と栄養塩類の獲得能を強化した。一方、大木ほどこの比は低く(約16%)、炭素獲得能を強化した。以上、芽生え~大木で呼吸分配を根系から地上へシフトさせたが、このメカニズム解明は途上にある。 本課題では、上記のシフトを分析、法則化し、このメカニズムを様々な個体機能(光合成、吸水、栄養塩類)と個体構造から解明することを目的とした。成果は、個体呼吸の根系/地上配分シフトモデルとなり、「CO2収支の林齢シフトモデル、樹木大型化の謎を解明する革新成長モデル」等が確立する。
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研究成果の概要 |
個体呼吸、重量、表面積の根系への配分は芽生え~成木で大きく変動した。特に芽生え期には、種子の貯蔵エネルギーの大半が根系に配分され、個体の水獲得能が強化された。その後、徐々に成木になるにつれ地上部への配分が高まり、個体の炭素獲得能が強化された。こうした個体サイズに応じた根系への配分変化に応じて、個体の水利用効率も変化した。これらの結果は、根系と地上部の関係が非線形のトレードオフにあることに起因していた。両者の関係から、成長初期に根系が成長を加速し、成木になるにつれ根系が地上部成長を抑制し、芽生え~成木で個体成長がS字型に制御されると考えられた。長期的には樹木成長は根系が制御していると結論づけた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
・「根を育てて地上を育てる経験則」のモデル化: 林業、農業分野では、植物成長は経験的に【根系発達が地上部の成長を牽引する】ことが知られているが、これを定量化する個体生理学的研究は皆無である。この経験則のモデル化は効率的な育成方法の根本原理となる。・実測による世界初の個体根系/地上の機能・構造のスケーリングモデルとなり、「CO2収支の林齢シフトモデル、樹木大型化のメカニズム解明、根系発達が牽引する革新成長モデル」などに欠くことのできない情報である。・地上部の生理学的研究に比べて研究の少ない地下に隠れた根系が果たす役割を個体レベルでモデル化できた。
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