研究課題/領域番号 |
19H03001
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分40010:森林科学関連
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研究機関 | 京都府立大学 |
研究代表者 |
高原 光 京都府立大学, 生命環境科学研究科, 特任教授 (30216775)
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研究分担者 |
平山 貴美子 京都府立大学, 生命環境科学研究科, 准教授 (10514177)
佐々木 尚子 京都府立大学, 生命環境科学研究科, 講師 (50425427)
林 竜馬 滋賀県立琵琶湖博物館, 研究部, 専門学芸員 (60636067)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
14,170千円 (直接経費: 10,900千円、間接経費: 3,270千円)
2022年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2021年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2019年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
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キーワード | 最終氷期最盛期 / 花粉分析 / 花粉生産量 / 植生の定量的復元 / マツ科針葉樹 / リタートラップ法 / 景観復元法(LRA) / 北八ヶ岳 / 景観復元法(LRA) / 八ヶ岳 / 定量的植生復元 / 景観復元モデル / 白駒湿原 / 景観復元法(LRA) / 白駒池 / LRA |
研究開始時の研究の概要 |
最も寒冷で乾燥した約2-2.5万年前の最終氷期最盛期(LGM)における植生分布の解明は,現在の日本列島の多様な生物の地理分布や生態系の形成過程を考える上で不可欠である。これまで過去の植生の組成変化は花粉分析法などによって解明されてきたが,樹種ごとに花粉生産量が異なるため,植生の定量的な解明は困難であった。本研究では,1.LGMの植生の主要構成要素であるトウヒなどのマツ科針葉樹の花粉生産量を解明し,2.LGMの植生に類似した植生が残存する北八ヶ岳において,定量的復元の検証を行う。さらに,3.日本各地のLGMにおける化石花粉と花粉生産量データを用いて,LGMにおける植生の定量的な空間分布を解明する。
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研究成果の概要 |
約二万年前の最終氷期最盛期(LGM)の植生の定量的解明ために必要なマツ科針葉樹やカバノキ属等の花粉生産量調査を行った。年間花粉生産量はhaあたり,モミ属とトウヒ属では千億(10の11乗)粒台,ツガ属やマツ属(五葉型),カバノキ属では兆(10の12乗)粒台であったが,特に,トウヒ属とカバノキ属は豊凶の差が大きく,その周期の長いことが判明した。またLGMの植生の構成種が残存する長野県北八ヶ岳に位置する白駒池と白駒湿原の堆積物の花粉分析を行った。それらの花粉組成は周辺森林の構成を的確に反映していなかった。この問題の解決のため,過去の植生の定量的復元に必要な花粉生産量のさらに継続的な測定が必要である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
現在より気温が5度以上低かった最終氷期最盛期(LGM)における植生構成は現在のそれと大きく異なっていた。このLGMにおける植生の定量的空間分布の解明は,日本列島における現在の多様な生物の地理分布や生態系の形成過程を考える上で不可欠である。その成果は,生物地理学,保全生態学,さらには将来の気候変動による生態系への影響を予測するためには重要な資料となる。また,これまで不明であったマツ科針葉樹などの花粉生産量は,様々な時代における花粉分析による定量的な植生解明に不可欠な資料となる。
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