研究課題/領域番号 |
19H03010
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分40010:森林科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人森林研究・整備機構 |
研究代表者 |
市原 優 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 主任研究員 等 (10353583)
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研究分担者 |
相川 拓也 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 主任研究員 等 (90343805)
升屋 勇人 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 主任研究員 等 (70391183)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
15,860千円 (直接経費: 12,200千円、間接経費: 3,660千円)
2021年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2020年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2019年度: 8,320千円 (直接経費: 6,400千円、間接経費: 1,920千円)
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キーワード | ヒノキアスナロ / 漏脂病 / エチレン / ヒバ |
研究開始時の研究の概要 |
地域特産樹種であるヒバの人工造林においてはヒバ漏脂病(ろうしびょう)が問題となっている。ヒバ漏脂病は、樹幹から樹脂流出が起こり樹幹変形に至る病害である。ヒバ漏脂病は病原菌の接種による再現が困難で発病機構がほとんど分からない病害であったが、本研究では新たな接種法により病理学的な個体レベルの抵抗性機構を解明する。一方、研究代表者らは野外の発病林分で強度間伐施業を実施し、無間伐林分に比べ低発病率の林分を作る実証実験に成功しており、この林分間の発病率の差異を利用して、病原菌密度に着目した林分レベルの発病率抑制要因を解明する。
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研究成果の概要 |
地域特産樹種のヒノキアスナロ(ヒバ)の人工造林で問題となっている漏脂病は、樹幹から樹脂流出し、樹幹変形する病害であり、抵抗性品種や防除法が求められている。しかし、漏脂病は記載から長年経過するにもかかわらず、その発病機構は明らかになっていない。本研究では、樹脂流出を引き起こす植物ホルモンのエチレンに着目し、病原菌のCistella japonicaがエチレン生成能を有することが漏脂病の発病に関与することを解明し、接種による抵抗性選抜への基礎知見を得た。また、漏脂病被害林分において間伐施業の実証試験によって低発病率を維持し、樹皮含水率低下に伴う病原菌密度低下が発病率抑制要因であることを解明した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ヒノキ・ヒバ漏脂病が発見されて以来1世紀が経過するにもかかわらず発病機構が十分に明らかにされてこなかったが、本研究により病理学的に発病機構が明らかにされた。ヒバ人工林における被害抑制を強度間伐という施業により達成できたことは、漏脂病によってそがれたヒバ人工造林促進意欲を取り戻すことにつながり、ヒバ人工造林が過疎に直面した地域にとって希望のある地域特産品産業となることに貢献する。
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