研究課題/領域番号 |
19H03012
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分40010:森林科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人森林研究・整備機構 |
研究代表者 |
酒井 佳美 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 主任研究員 等 (40353700)
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研究分担者 |
堀澤 栄 高知工科大学, 環境理工学群, 教授 (20368856)
鵜川 信 鹿児島大学, 農水産獣医学域農学系, 准教授 (30582738)
徳地 直子 京都大学, フィールド科学教育研究センター, 教授 (60237071)
上村 真由子 日本大学, 生物資源科学部, 准教授 (60444569)
稲垣 哲也 名古屋大学, 生命農学研究科, 准教授 (70612878)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,030千円 (直接経費: 13,100千円、間接経費: 3,930千円)
2023年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2022年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2021年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2020年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2019年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
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キーワード | 樹木根 / 分解 / 土壌炭素動態 / ハイパースペクトラルイメージング / 土壌深さ / 初期条件 / 広域調査 |
研究開始時の研究の概要 |
土壌に深く伸長する樹木根は枯死した後に分解されるまで、炭素貯留機能などの森林の多面的機能を持続する。樹木根の分解過程や分解への影響要因は未解明であり、枯死後の樹木根による多面的機能の評価は難しい。本課題は樹木根分解過程の土壌深依存性の解明を目的とし、その成果は既存の炭素循環モデルの検証や新たな構築や地球規模での気候変動に対する森林の多面的機能評価の高度化を実現する。さらに、樹木根分解による土壌の深い層への炭素供給過程の解明は、知の空白域となっている土壌の深い層での土壌炭素動態の解明につながる。
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研究実績の概要 |
群馬水上、京都芦生、熊本、鹿児島高隈の4か所の試験地で4種の分解試料を用いたリターバック法による5-10cmの土壌深さでの分解試験から、それぞれの試験地の同一環境下での分解基質間の分解の特徴を比較した。分解基質は個体間差が小さくなるように同一クローンから採取した樹皮と辺材を含むスギの枝と根と、市販のスギ丸太材から作成した四割材、同じ丸太材を2mm程度の細粒状にして不織布製袋に詰めた疑似材である。いずれの試験地においても、初期の重量減少の基質ごとの特徴が共通しており、分解開始後半年の重量残存率は、枝と根(4試験地の平均値±SD 0.84±0.01)で最も低く、次いで、疑似材(0.89±0.03)、四割材(0.97±0.01)と続いた。これらは基質の初期の固形や細粒状といった物理的な条件、および、化学成分含有濃度が初期分解の進行に与える影響が大きいことを示している。また、回収した分解試料の窒素の現存量に対する炭素の現存量を比較すると、丸太材を材料とした基質は重量減少に伴う炭素量の減少に対し窒素現存量が増える傾向を示した。それに対し枝と根は、炭素量の減少に伴い窒素現存量が減少する傾向を示した。初期材の窒素濃度が非常に低い四割材と疑似材は分解過程において窒素を外部から取り込む必要がある一方で、枝と根では初期材に含まれる窒素を主に利用している可能性が示唆された。今後、本結果は周辺土壌の窒素濃度との関係も解析し、樹木根の分解速度への基質の影響、および初期材の窒素の影響について分解速度推定モデルへのパラメーター選択の検討を進める。 土壌の深さ別の分解能力推定手法開発のために地質と地形が異なる試験地で1年間分解させた木杭用いて、回収時の木杭の含水率分布をハイパースペクトラルイメージングデータからマップ化を試み、可視化への問題点を検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度予定していた全国で実施している分解試験の試料回収を実施できた。当初の予定よりも追加の試験地設定を増やし回収試料数が増えたため、試料処理と分析がやや遅れているところもあるが、次年度には間に合う予定である。また、それ以前の回収試料の分析データも揃ってきたため、分解モデルの検討を具体的に進めることができている。これらのことから本課題はおおむね順調に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
基本的には研究計画に従って順調に進展していることから、今後も計画に従って研究を進行する予定である。
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