研究課題/領域番号 |
19H03019
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分40020:木質科学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
河本 晴雄 京都大学, エネルギー科学研究科, 教授 (80224864)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
17,810千円 (直接経費: 13,700千円、間接経費: 4,110千円)
2021年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2020年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2019年度: 10,530千円 (直接経費: 8,100千円、間接経費: 2,430千円)
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キーワード | バイオマス / 熱分解 / 分子機構 / 細胞壁 / ナノ集積構造 / ウロン酸 / 針葉樹と広葉樹の違い / リグニンの作用 |
研究開始時の研究の概要 |
木材や草などの木質バイオマスは、地球上に最も多量に存在するバイオマス資源であり、1年間に生産される量はエネルギーベースで世界の一次エネルギー需要の5-6 倍に達する。したがって、将来、化石資源に替わるエネルギーおよびケミカルス・材料源として極めて重要である。本研究では、そのような目的で注目されている熱化学変換技術の高度化を目指し、細胞壁においてナノレベルで集積した構成成分が高温度域においてどのように分解するかを分子レベルで解明する。
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研究成果の概要 |
木材は中空の細胞により構成され、その細胞壁は、結晶性のセルロースミクロフィブリルが繊維方向に貫き、その周囲をヘミセルロースとリグニン(両者を併せてマトリックスと呼ばれる)が取り囲むナノ集積構造を有する。本研究では、セルロースおよびヘミセルロースの細胞壁中での反応性が、単離成分と比べて変化しており、その影響がスギ(針葉樹)とブナ(広葉樹)で異なることを明らかにした。さらに、熱分解反応性の違いから、スギとブナで異なるナノ集積構造を新規に提案した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
熱処理は木材の一つの加工技術である。また、化石資源の代替を目指した木質バイオマスの熱分解やガス化技術が注目されている。本研究により、細胞壁のナノ集積構造が構成成分の熱分解反応性に大きく影響していることが明らかになり、熱分解反応性の視点から細胞壁のナノ集積構造を提案できることも示された。これらの知見は、木材科学の分野に新たな視点を提供するとともに、社会的には木材の利用促進による将来の持続可能な低炭素社会の構築に寄与する。
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