研究課題/領域番号 |
19H03030
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分40030:水圏生産科学関連
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研究機関 | 東京海洋大学 |
研究代表者 |
矢澤 良輔 東京海洋大学, 学術研究院, 准教授 (70625863)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
16,900千円 (直接経費: 13,000千円、間接経費: 3,900千円)
2021年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2020年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
2019年度: 7,280千円 (直接経費: 5,600千円、間接経費: 1,680千円)
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キーワード | 雑種不妊 / 生殖隔離 / サバ養殖 / サバ類養殖 / 代理親魚技法 / 生殖細胞移植 / サバ雑種 / 新規有用系統 / 不妊化 / サバ / 交雑育種 / サバ類 / 不妊魚 / 育種 |
研究開始時の研究の概要 |
ゴマサバとマサバの雑種はそのほとんどが不妊であり、新規養殖系統として有用である。産業応用には全個体不妊であることが必須だが、人工的に作出した交雑魚の一部は妊性を有する。そこで、日本近海に存在する複数のマサバおよびゴマサバ系群のうち同時期かつ同海域で産卵するにも関わらず、生殖隔離が成立している系群間を交雑すれば、全個体が不妊であるサバ雑種集団を作出できると考えた。そこで日本各地のマサバとゴマサバの生殖細胞を集め代理親魚技術に用い、ドナー細胞を移植した宿主魚が生産する各系群の配偶子を用いる網羅的な交雑を実現し、完全不妊集団となる系群の組み合わせを見出す。
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研究成果の概要 |
本課題では、マサバとゴマサバが同所的な種分離を示すことから、生殖隔離が成立している系群が存在すると推測し、この機構を使うことで全個体不妊となるサバ雑種集団の作出を試みた。日本各地のマサバとゴマサバ各系群の交雑を実施し、完全不妊集団となる系群の組み合わせを見出すことを試みた。しかし、同所的なマサバおよびゴマサバ集団による交雑を試みたものの、完全な不妊集団とならないことが示唆された。この結果から、完全不妊集団を作成するためにはは、系群の組み合わせではなく、個体レベルでの組み合わせに依存することが示唆された。また、若齢時に不妊であっても、成魚時点で配偶子の生産能を回復すること可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本課題では、マサバとゴマサバのF1交雑魚が不妊となるメカニズムおよびそれを利用した全個体不妊化サバ集団の作出を試みた。本課題中では、完全な不妊化集団を確実に作出する両親種の組み合わせを見出すには至らなかった。しかし、本課題を進める中で、F1サバ交雑魚の不妊化に関する知見が集積された。さらに、両種のサバのゲノム情報が蓄積され、2種間で性決定機構が異なることや、これらの情報を用いた性判定技術の開発も実現した。これらの情報や技術は、現在盛んになりつつある、人工種苗を用いたサバ類養殖の発展にも大きく貢献するものである。
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