研究課題/領域番号 |
19H03031
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分40030:水圏生産科学関連
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
益田 玲爾 京都大学, フィールド科学教育研究センター, 教授 (60324662)
|
研究分担者 |
源 利文 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 教授 (50450656)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
17,160千円 (直接経費: 13,200千円、間接経費: 3,960千円)
2022年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2021年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2020年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2019年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
|
キーワード | Environmental DNA / spawning / predation / recruitment / jack mackerel / Japanese anchovy / sea cucumber / black sea bream / 環境DNA / 被食 / 繁殖 / マナマコ / マアジ / 魚類 / 産卵 / 加入 / 沿岸加入 / 水産資源生物 / ニホンウナギ / クラゲ / クロダイ / 種特異的プライマー |
研究開始時の研究の概要 |
環境DNAは生物が水中に放出するDNAの総称であり,生物は平常時にも一定量を放出するとともに,繁殖行動に際しては,ミトコンドリアDNAに比べて多量の核DNAを放出する.また,被食個体は大量の体液を放出し,ここには長鎖のDNA断片が相対的に多いと予想される.そこで本研究では,主要な水産生物の飼育実験により,核DNAとミトコンドリアDNAの比で繁殖を,また長鎖と短鎖ミトコンドリアDNAの比で被食を,それぞれ検知できる可能性を探る.続いて沿岸から沖合までおよび河川の定点で採水し,環境DNA分析を行うとともに,卵や仔魚の採集も試み,環境DNA分析と従来の手法の結果を照合する.
|
研究成果の概要 |
マアジ、カタクチイワシ、キジハタ、クロダイ、およびマナマコを対象として、これら水産資源の動態を環境DNAを用いて検知する基礎技術を築いた。また、環境DNA放出に関するバイオマスや個体数、魚種混合の効果等の基礎的な知見を得た。マアジとマナマコを用いた実験では繁殖時に、またカタクチイワシ、マアジおよびマナマコでは被食時に、それぞれ明瞭な環境DNA濃度のピークが認められた。沖合で採水した試料からクロダイの環境DNAを定量し、本種の環境DNAが産卵期のみに離岸19km沖合でも検出されることを明らかにした。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
一連の水槽実験により、環境DNAを用いた水圏生物の定量が十分に可能であること、また環境DNAを用いた繁殖や被食の検出も可能である反面、これらは対象生物を定量する上でのノイズともなることが示された。またクロダイの分布を調べたフィールド調査でも、従来の曳網調査と矛盾しない結果が得られ、従来の調査よりも高い精度で行うことができた。環境DNAに基づく定量に関わる諸問題を解決し、海域のマクロ生物を対象とした調査で環境DNAを応用する道を拓いたことは、十分な学術的意義を持つ。一連の成果はまた、水産資源管理や生態系保全といった分野へ直接応用が可能であり、社会的な意義もすこぶる大きい。
|