研究課題/領域番号 |
19H03035
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分40030:水圏生産科学関連
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研究機関 | 創価大学 |
研究代表者 |
戸田 龍樹 創価大学, 理工学部, 教授 (10222150)
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研究分担者 |
高山 佳樹 創価大学, 理工学部, 助教 (00897605)
岸 正敏 創価大学, プランクトン工学研究所, 助教 (00824020)
平原 南萌 創価大学, 理工学部, 研究員 (80845404)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
16,380千円 (直接経費: 12,600千円、間接経費: 3,780千円)
2022年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
2020年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 海産カイアシ類 / 微細藻類 / 水産初期生物餌料 / 生存率 / 卵生産 / 高密度培養 / 付着基質 / 共食い抑制 / カイアシ類 / 環境ストレス耐性 / 大量培養 / プランクトン工学 / 生物餌料 / 餌料検討 / リアクター / 大量培養リアクター / かいあし類 / 高付加価値微細藻類 / DHA / EPA / カロテノイド系色素 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、高い生残率・生産率を達成し、なおかつ豊富なEPA・DHA・カロテノイド系色素を含有する高付価価値なスーパーかいあし類の連続大量培養技術を確立する。かいあし類はワムシやアルテミアよりも高い栄養価を持つことから、養殖産業の初期餌料として期待される一方で、共食いや幼生の高い死亡率により生産性が低下することから、大量培養は実現困難とされてきた。本研究では、かいあし類の生残、成長、卵生産に必要不可欠なEPA・DHA・カロテノイド系色素を含有する微細藻類種をかいあし類に摂餌させ、高生残率・高生産率を達成し、かつ高栄養価を示すスーパーかいあし類を作る。
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研究成果の概要 |
カイアシ類種と餌料藻類種の最適な組み合わせを決定するため、微細藻類とカイアシ類3種を対象に飼育実験をおこない、Acartia steueriとOithona oculataでは、卵生産をそれぞれ3.7倍、2.3倍向上させた。Pseudodiaptomus nihonkaiensisでは餌検討によって成体までの生存率は浮遊性カイアシ類としては著しく高い46.7 %を達成したため、本種は最有力な培養候補種となる。成体による卵・幼生の“共食い”を防止し、低労力で卵・幼生を回収可能な培養装置を開発・運転したところその生産性は既往研究と比較し最も高い値であったことから、高効率な生産システムを構築できた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまで達成できなかったかいあし類の大量培養のみならず、コストのかかる栄養強化を必要としない高機能の水産養殖初期餌料を研究開発した。従来の大量培養は回分培養が主流であったが、本研究では半連続運転によって水質を改善しながら、成体による卵・幼生の捕食を防ぐ工夫を備えた新規の培養システムを開発した。このような培養装置の開発は本研究が初の試みであり独自性が高い。本研究は、かいあし類の有する潜在能力を明らかにし、スーパーかいあし類を用いた産業利用への途を開いた。次の段階としては社会実装化に向けて、産学連携によりスケールアップを試み、カイアシ類の大量培養による新しい餌料生産プロセスを確立したい。
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