研究課題/領域番号 |
19H03038
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分40030:水圏生産科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人水産研究・教育機構 |
研究代表者 |
日高 清隆 国立研究開発法人水産研究・教育機構, 水産資源研究所(横浜), グループ長 (70371838)
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研究分担者 |
高須賀 明典 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 教授 (00392902)
柏山 祐一郎 福井工業大学, 環境情報学部, 教授 (00611782)
寒川 清佳 国立研究開発法人水産研究・教育機構, 水産資源研究所(横浜), 研究員 (00824426)
瀬藤 聡 国立研究開発法人水産研究・教育機構, 水産資源研究所(横浜), コーディネーター (10463100)
安倍 大介 国立研究開発法人水産研究・教育機構, 水産資源研究所(横浜), 主任研究員 (10565568)
山口 珠葉 国立研究開発法人水産研究・教育機構, 水産資源研究所(横浜), 研究員 (30845293)
渡井 幹雄 国立研究開発法人水産研究・教育機構, 水産資源研究所(横浜), 研究員 (50829166)
伊藤 大樹 国立研究開発法人水産研究・教育機構, 水産資源研究所(横浜), 研究員 (80824383)
清水 勇吾 国立研究開発法人水産研究・教育機構, 中央水産研究所, グループ長 (10371791)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2021年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2020年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2019年度: 6,890千円 (直接経費: 5,300千円、間接経費: 1,590千円)
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キーワード | Pacific saury / copepod / Prochlorococcus / Synechococcus / カイアシ類 / サンマ / 食性 / プロクロロコッカス / 植物プランクトン / 色素代謝物 / 食物網 / 植物色素 / 遺伝子 |
研究開始時の研究の概要 |
サンマは、黒潮より南の比較的暖かい海域を中心に産卵することが、マイワシやマサバなどと比べた特徴である。この海域では非常に小型(0.001mm以下)の植物プランクトンが光合成活動の中心になっていることが知られている。光合成による生物生産は、小型の植物プランクトンからサンマの仔魚・稚魚まで複雑な食物網を経て伝達されていると考えられているが、その経路を調べるには非常に労力が必要で、従来の方法では現実的には難しかった。この課題は、植物プランクトンの色素が分解されて出来る物質(代謝物)が生物ごとに違うことを利用し、この代謝物の分析を中心とした方法で食物網構造を明らかにする。
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研究成果の概要 |
冬春季の黒潮周辺海域においてサンマ仔稚魚の初期成長を支える食物網構造を解明することを目的として、船舶調査と試料分析を行った。仔魚の餌料としては、既報のあるパラカラヌス属・オンケア属・オイトナ属に加えコリケウス科カイアシ類が重要な分類群であった。これらのカイアシ類は真核植物プランクトンに加え原核植物プランクトンを摂餌していることが確認され、環境中においてもこれらの分類群が表層付近に分布することが明らかとなった。これらから調査海域においては大型の真核植物プランクトンに加え小型の原核植物プランクトンも重要な基礎生産者であること、生産は食物網を通じてサンマ仔稚魚の成長を支えていることが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
学術的な意義としては、従来は主に貧栄養海域に適応し漁業生産への貢献は少ないと見なされていた原核植物プランクトンが、資源魚種の再生産に重要な役割を持っていることを示したことが挙げられる。社会的には、これらの知見を元にして対象海域の生物生産構造をモデル化することで、より高度な資源変動予測や資源管理につながっていくことが期待される。
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