研究課題/領域番号 |
19H03039
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分40040:水圏生命科学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
井上 晶 北海道大学, 水産科学研究院, 教授 (70396307)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2020年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2019年度: 9,620千円 (直接経費: 7,400千円、間接経費: 2,220千円)
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キーワード | 褐藻 / 多糖類 / アルギン酸 / マンヌロン酸C-5エピメラーゼ / アルギン酸リアーゼ / カロテノイド / 組換え酵素 / 褐藻類 / カロテノイド類 / タンパク質 / 酵素 / フコイダン / キサントフィル / マコンブ / ワカメ / ウロン酸 / ゼアキサンチン / 多糖類分解酵素 / 糖代謝 / ラミナラン / β-カロテン |
研究開始時の研究の概要 |
コンブなどの褐藻類は、人類にとって有用な成分のアルギン酸、フコイダンなどの多糖類やフコキサンチンなどの色素類を含む。自然界では、これらを生合成する生物は極めて限定的であり、褐藻自身がどのように生合成、代謝しているのかについては未だに知見が乏しい。本研究では、褐藻類のゲノム解析を経ても全容が不明なこれらの化合物の代謝経路について、そこで働くタンパク質の酵素活性を指標として解明することを目的としている。さらに、天然褐藻から多量に得ることが困難な希少な有用化合物について、酵素を利用した選択的人工合成技術への応用を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究では、ゲノムおよび遺伝子の配列情報が先行し、タンパク質レベルでの解析がほとんど進んでいない褐藻の機能タンパク質の実証を目的とした。研究の遂行により、温帯域に生息するオキナワモズクが熱安定性に優れたマンヌロン酸C-5エピメラーゼをもつこと、褐藻自身がアルギン酸を不飽和単糖レベルに分解する酵素をもち、その還元酵素ももつことを明らかにした。また、マコンブのマンヌロン酸C-5エピメラーゼと予測されていたタンパク質が実際にはアルギン酸分解酵素であることを解明した。さらに、ゲノム解析からは存在が不明であった褐藻のβ-カロテン水酸化酵素を同定し、ゼアキサンチン変換活性をもつことを示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、我が国の水産業の重要種であり、海洋生態系を支える重要な役割を担う大型褐藻類のタンパク質の機能をタンパク質レベルで実証することを目的としており、学術的のみならず社会的にも遂行する意義が高い。有用褐藻類の研究は、ゲノムや遺伝子の配列情報が先行している状況にあり、高等植物や他の藻類と比較して、タンパク質に関する生化学的研究は遅れている。本研究の遂行により、配列情報から予測される機能とは異なる酵素活性をもつことを実証した成果も得られた。これは未知のタンパク質の機能をアミノ酸配列から推測するだけでは、真の生物機能を理解することができないことを示唆するものであり、高い学術的意義をもつ。
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