研究課題/領域番号 |
19H03048
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分40040:水圏生命科学関連
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研究機関 | 東京海洋大学 |
研究代表者 |
山本 洋嗣 東京海洋大学, 学術研究院, 准教授 (10447592)
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研究分担者 |
Strussmann C.A. 東京海洋大学, 学術研究院, 教授 (10231052)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,160千円 (直接経費: 13,200千円、間接経費: 3,960千円)
2023年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2022年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2021年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2020年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2019年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
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キーワード | 環境依存型性決定機構 / 遺伝型性決定機構 / 環境ストレス / トウゴロウイワシ / TSD / 環境依存的性決定機構 / 遺伝的性決定機構 / amhy / 温度依存型性決定機構 |
研究開始時の研究の概要 |
魚類の性は「遺伝的要因」と「環境要因」の連続的バランスによって決定されるが、その共在の分子機構はほとんど未解明である。地球温暖化など種々の人為的環境ストレスが地球規模での問題となっている昨今、繁殖の根幹をなす性決定への「環境要因」の作用機序解明は恒久的な水産資源の利用と生物多様性の保全に不可欠である。本研究では、「遺伝的性決定」と「環境依存的性決定」の2つの性決定機構の特徴を完全に併せ持つモデル魚を用い、遺伝的性決定因子と種々の環境要因がどの様にせめぎ合い、性が決定されていくのかを調査する。
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研究成果の概要 |
本課題では遺伝的性決定と温度依存的性決定の両特徴を併せ持つトウゴロウイワシ類を用い、その共在機構の解明に取り組んだ。遺伝的雄(XY)のY染色体上に存在する雄性決定因子amhyを機能破壊した結果、雌性分化の鍵となるcyp19a1aの発現が上昇し、一部の個体が雌に性転換した。また、温度依存的性決定におけるストレス系雄性経路を司るコルチゾールと11-KTにより、amhy、amha、cyp19a1aの遺伝子発現が調節されていることが示唆された。遺伝的/温度依存的性決定が明確に共在する種では、主要な性分化関連遺伝子と各種ホルモンが連携しながら絶妙なバランスで性を誘導していることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本課題では、これまで未解明であった、魚類の性決定・性分化過程における「遺伝的要因」と「環境要因」の共在機構の解明に迫った。本成果は、気候変動や地球温暖化、海洋酸性化など人為的環境ストレスによる水圏環境の急激な変化が地球規模での問題となっている昨今において、生物の繁殖の根幹をなす性決定への「環境要因」の作用機序解明にも繋がり、雌雄異体魚における性決定機構の解明のみならず、恒久的な魚類資源の利用と生物多様性の保全に寄与すると期待される。
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