研究課題/領域番号 |
19H03090
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分41050:環境農学関連
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
上田 光宏 大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 准教授 (50254438)
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研究分担者 |
玉田 太郎 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 量子生命科学研究所, グループリーダー (50391248)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
16,380千円 (直接経費: 12,600千円、間接経費: 3,780千円)
2021年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2020年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2019年度: 9,100千円 (直接経費: 7,000千円、間接経費: 2,100千円)
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キーワード | ミミズ / 低温適応酵素 / バイオマス / 糖質分解酵素 / 熱安定性向上 / セルラーゼ / アミラーゼ / 低温適応性酵素 / 低温適応性糖質分解酵素 / 低炭素社会構築 / バイオ燃料 / 生デンプン分解酵素 / 連続糖化発酵法 / SDGs / 低炭素社会 |
研究開始時の研究の概要 |
低温適応性糖質分解酵素に関する報告は,好熱性や耐熱性酵素の研究と比較すると報告例が少ないのが現状である.これまでに,ミミズから低温下(25~30℃)で,しかも酸性条件下(pH 5)で植物バイオマスを効率よく分解できる酵素を見出している.このような特異な性質を有する酵素を用いれば,エネルギーを掛けずに,しかも雑菌の混入を心配することなく,植物バイオマスを糖化することが可能である.本酵素を用いれば糖化プロセスにエネルギーを必要としないことからCO2ガスの排出量が減少するとともに,生産コストの削減も可能となる.このことは地球環境の保全にもつながり,国際貢献にもつながる.
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研究成果の概要 |
シマミミズ由来の低温適応性糖質分解酵素の構造と機能とその利用に関する研究を行ってきた.低温側の活性を向上させるために酵素タンパク質の塩橋並びに表面電荷に着目し,変異酵素の創製を行ってきた.塩橋に関しては,これまでに塩橋を弱めることで低温活性が向上するとともに熱安定性を保持した変異酵素(マンナナーゼ)の取得に成功している.表面電荷に着目した研究も行ったところ,低温活性だけでなく,広い温度範囲で比活性の向上したセルラーゼの取得にも成功している(特許出願中).さらに,塩橋を新たに導入することで,野生型より熱安定性の向上した生デンプン分解酵素(Amy II)の作製にも成功している.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
我が国は,化石燃料への依存度が高く,燃焼後に排出される大量のCO2ガスが地球環境に負荷をかけている.このような背景を基にバイオマス資源からのエネルギーの生産が求められている.現在,植物バイオマスの糖化は,高温の酸あるいは耐熱性酵素を用いて高温条件下で糖化が行われている.糖化過程に必要な熱エネルギーは化石燃料が用いられていることから CO2ガスも期待されるほど削減できず,またコスト高となっている.化石燃料に依存しない脱炭素社会を構築するためには,低温で糖化し,低温でアルコールを発酵する(低温糖化・低温発酵)技術の開発が必要である.ミミズ由来の低温適応酵素はこのシステムへの応用が可能である.
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