研究課題/領域番号 |
19H03091
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分41050:環境農学関連
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研究機関 | 熊本県立大学 |
研究代表者 |
松添 直隆 熊本県立大学, 環境共生学部, 教授 (50239018)
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研究分担者 |
中原 浩貴 鳥取大学, 乾燥地研究センター, 特別研究員(PD) (30828364)
近藤 謙介 鳥取大学, 農学部, 准教授 (70403376)
森 太郎 滋賀大学, 教育学部, 准教授 (90725053)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
17,940千円 (直接経費: 13,800千円、間接経費: 4,140千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2020年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2019年度: 12,870千円 (直接経費: 9,900千円、間接経費: 2,970千円)
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キーワード | 青枯病 / 半身萎凋病 / 土壌伝染性病害 / 生物的防除 / 鉄資材 / 低濃度エタノール / 病原性の低下・非病原化 / 病原性細菌 / 非病原化 / phenotypic conversion / 非病原性 / 水溶性鉄 / 土壌病害 / 生理阻害 / 病害防御応答遺伝子 / 生育量 / 水溶性鉄溶液 / 防除 / 細菌の非病原化 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は「植物に障害を与えない」、「安全で安価である」、水溶性鉄溶液を利用した青枯病菌・半身萎凋病の簡便な防除法の開発である。本申請の学術的独自性と創造性は「病原菌を非病原化(Phenotype conversion、 PC化)させること」と「PC株による植物の抵抗性誘導」による防除法にある。本防除法は対象の作物を選ばないため、トマト以外の作物にも応用できる。例えば、ジャガイモは、世界中で栽培されている重要な野菜の一つであるが、温暖化の影響により、青枯病の発生は激しく・広範囲に広がっている。研究成果は、国内外の安全・安心な農作物生産のための土壌病害管理技術の開発に大きな波及効果があると考える。
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研究成果の概要 |
土壌培地3種類において、クエン酸単独添加やクエン酸と鉄化合物の混合添加によりPC化が誘導された。青枯病菌汚染土壌への低濃度エタノールの添加において、PC化頻度は培養温度、エタノール濃度、土壌pHに影響されること、土壌微生物や多様性に及ぼす影響は土壌の種類により異なることが明らかになった。PC株を接種したトマトでは、根と葉において病害防御関連遺伝子の発現が誘導されることが明らかになった。 珪鉄(鉄化合物)の土壌混和処理がトマトの生育に及ぼす影響を調査した。珪鉄の施用は10 a当たり春夏作で1.2 t、夏秋作では2.4 tの施用量までならば、生育に影響を及ぼさないことが示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
作物生産では化学農薬を使用しない等、環境に優しい農業技術の開発が望まれている。化学農薬に代わる農業技術として、生物農薬の開発が急務である。本研究では、安価で、安全なクエン酸や鉄化合物を利用して、土壌伝染性病害である青枯病細菌をPC化(病原性の低下、非病原化すること)することで、青枯病や半身萎凋病を防除するこができることを明らかにした。本防除法の特徴は、土壌の「殺菌・消毒」ではなく、細菌と植物の生態的な特性を組み合わせたところにある。本研究がさらに発展することで、食の安全・安心や作業性・経済性等の観点からの新たな土壌病害防除法の開発が進むと考える。
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