研究課題/領域番号 |
19H03100
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分42010:動物生産科学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
西邑 隆徳 北海道大学, 農学研究院, 教授 (10237729)
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研究分担者 |
尾嶋 孝一 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 畜産研究部門, 上級研究員 (60415544)
鈴木 貴弘 北海道大学, 農学研究院, 助教 (80750877)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
16,640千円 (直接経費: 12,800千円、間接経費: 3,840千円)
2021年度: 4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2020年度: 4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2019年度: 6,760千円 (直接経費: 5,200千円、間接経費: 1,560千円)
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キーワード | 骨格筋 / 筋原線維 / ミオシン / アクチン / 太いフィラメント / 筋線維型 / ミオシン分子 / サルコメア / 速筋 / 遅筋 / メチル化 / 筋細胞 / 食肉 |
研究開始時の研究の概要 |
骨格筋の肥大・萎縮は骨格筋線維内に存在する筋原線維数の増減に起因するが,筋原線維の形成および分解のメカニズムは不明である。本研究では,筋原線維の主要タンパク質であるミオシン分子の細胞内ライフサイクルに着目し,太いフィラメントの形成,維持,および分解のメカニズムを追究する。野生型ミオシン分子の代わりに蛍光タンパク質を融合したミオシン分子を発現する遺伝子改変マウスの骨格筋細胞を用いることで,従来まで困難であった内因性に発現するミオシン分子の動態を解析する。本研究により骨格筋肥大の根幹である筋原線維数の制御機構が明らかになり,食肉の効率的生産に向けた技術基盤が確立される。
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研究成果の概要 |
本研究では、筋原線維内の太いフィラメントにおけるミオシン分子の置換機構を解明することを目的とした。太いフィラメントを構成するミオシン分子はフィラメントの両端部でより頻繁に置き換わっていること、一度解離したミオシン分子も再び太いフィラメントに組み込まれること、太いフィラメントからの解離と再利用を繰り返すうちに一部のミオシン分子はE3リガーゼによって選別され分解されることを明らかにした。さらに、太いフィラメントにおけるミオシン分子の置換頻度はミオシンアイソフォームによって異なっており、この要因としてミオシンのメチル化修飾が関与している可能性を示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
世界人口の増加や発展途上国の経済発展を背景として食肉需要は拡大しているが、家畜生産による環境負荷等が問題となっている。環境調和・持続型の効率的な食肉生産確立するためには、食肉の主体である家畜骨格筋の筋肥大・維持機構を組織・細胞レベルで理解することが重要である。本研究の成果は、骨格筋の肥大・萎縮機構の分子基盤確立に寄与するとともに,食肉生産機構の最重要部分である家畜骨格筋肥大メカニズムの解明に繋がるため,食肉科学および畜産学分野に大きく貢献する。さらに,健康医学分野ではヒトの加齢に伴う骨格筋量の減少が身体機能を低下させるサルコペニアの発症機序解明および予防法開発に繋がる。
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