研究課題/領域番号 |
19H03109
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分42010:動物生産科学関連
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研究機関 | 麻布大学 |
研究代表者 |
水野谷 航 麻布大学, 獣医学部, 准教授 (20404056)
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研究分担者 |
竹田 志郎 麻布大学, 獣医学部, 准教授 (40710223)
齊藤 千佳 麻布大学, 生命・環境科学部, 講師 (40765236)
良永 裕子 麻布大学, 生命・環境科学部, 教授 (50192539)
澤野 祥子 麻布大学, 生命・環境科学部, 准教授 (60403979)
小宮 佑介 北里大学, 獣医学部, 准教授 (80791665)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2022年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2021年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2019年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
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キーワード | 食肉 / 筋線維タイプ / 味 / 遊離アミノ酸 / 遅筋 / 速筋 / 味覚センサー / うま味 / 骨格筋 / おいしさ / 呈味性物質 / 呈味性化合物 / 牛肉 / 食味性 / 理化学的特性 |
研究開始時の研究の概要 |
食肉を構成する主要な組織である骨格筋は、代謝能力と収縮能力が異なる遅筋タイプと速筋タイプの筋線維(筋細胞)がモザイク状に配置され、これら遅筋と速筋線維の組成によって種々の特性が変わる。筋収縮機能のような生理学的特性と筋線維タイプの関係性はよく調べられているが、食肉の特性との関係性についてはあまり分かっていない。 本研究では、食肉の筋線維タイプと消費者にとって重要な「食肉のおいしさ」に関連する特性(官能評価、呈味性化合物レベル、硬さ、保水性)との関係性を明らかにし、筋線維タイプを解析すれば「食肉のおいしさ」がある程度予測できるよう、食肉の新規知見の蓄積を目指す。
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研究成果の概要 |
食肉の構成要素の筋線維は遅筋タイプと速筋タイプに分類され、様々な特性が異なる。我々は食肉の風味も筋線維タイプで異なるか調べた。最初に呈味性化合物の遊離アミノ酸量を調べた。黒毛和種去勢肥育牛の様々な筋組織から21種類の骨格筋サンプルを採取し、筋線維タイプ組成と遊離アミノ酸量を測定した。結果遅筋タイプは総遊離アミノ酸量と強い正の相関を示した。次に呈味性を味覚センサーで調べたところ、うま味とうま味こくの応答性が、遅筋タイプと有意な正の相関を示した。すなわち、遅筋タイプの多い食肉では、遊離アミノ酸に起因するうま味とうま味こくが強く感じられることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
食肉は数ある食べ物の中でも特に美味とされる食品であるが、そのおいしさの理由はまだよく分かっていない。本研究では食肉のおいしさの理由を調べるために、肉を構成する骨格筋の筋線維タイプに着目して検討した。検討の結果、疲労耐性や酸化的代謝に優れた遅筋線維ほど、味物質の遊離アミノ酸レベルが多く含まれ、味覚センサー解析においてもうま味やうま味こくの刺激が高いという結果を得た。すなわち、食肉の味は筋細胞のタイプで異なることを明らかにできた。この成果は家畜の品種改良において骨格筋をどのようなタイプにすればうま味が強い肉ができるのかという指標になる。同様に培養肉でも風味調整のための細胞の性質の指針となる。
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