研究課題/領域番号 |
19H03115
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分42020:獣医学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
迫田 義博 北海道大学, 獣医学研究院, 教授 (40333637)
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研究分担者 |
青木 博史 日本獣医生命科学大学, 獣医学部, 准教授 (10440067)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
16,900千円 (直接経費: 13,000千円、間接経費: 3,900千円)
2021年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2020年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2019年度: 7,930千円 (直接経費: 6,100千円、間接経費: 1,830千円)
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キーワード | 豚コレラウイルス / 豚熱ウイルス / 病原性 / ウイルス因子 / 準種 / 機能解明 |
研究開始時の研究の概要 |
豚コレラウイルスの豚に対する病原性は株によって多様である。豚コレラウイルスの病原性因子として、ウイルス蛋白Npro、Erns、E2、NS4B蛋白などが同定されている。しかし、近年流行している豚コレラウイルスの病原性の多様性は、現行の方法論で得られた成績だけでは説明できない。すなわち、豚コレラウイルスの病原性に関与する新規ウイルス因子の同定と、既報のウイルス因子との相乗効果を評価する必要がある。さらに、準種(Major集団とMinor集団)に由来するウイルス蛋白の活性バランスが病原性発揮に寄与することを証明し、豚コレラウイルスの多様な病原性を規定するウイルス因子の機能を解明する。
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研究成果の概要 |
豚コレラ(豚熱)ウイルスの多様な病原性の発現機序を、ウイルス蛋白質の分子レベルさらに変異ウイルスのブタを用いた実験感染による生体レベルの研究により解明した。その結果、病原性に関与するウイルス因子が既報のウイルス因子以外にもあることを明らかにした。また同定したウイルス因子の複数が相乗的に病原性の発揮に働くことを明らかにした。さらに、ブタ体内でウイルスは単一集団ではなく準種(混ざりもの)であり、Major集団とMinor集団由来のウイルス因子の活性のバランスが病原性を決めることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
豚コレラ(豚熱)の原因である豚コレラ(豚熱)ウイルスはブタに対して100%の致死率を示す高い病原性のウイルスからブタを殺すことのない低い病原性を示すウイルスまで多様である。そこで、現在国内でも流行している中程度の病原性を示す本ウイルスの病原性を理解するため、病原性に関与する新しいウイルス因子の特定、複数のウイルス因子の病原性発揮のための相乗効果、またウイルス集団が不均一であることの重要性を明らかにした。これらの成果は宿主・病原体間の相互作用がもたらす豚コレラ(豚熱)ウイルスの病原性発揮メカニズムの理解だけでなく、本病の新しいワクチン開発の基盤となる重要な学術知見である。
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