研究課題/領域番号 |
19H03121
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分42020:獣医学関連
|
研究機関 | 帯広畜産大学 |
研究代表者 |
福本 晋也 帯広畜産大学, 原虫病研究センター, 准教授 (50376422)
|
研究分担者 |
茅野 光範 帯広畜産大学, 畜産学部, 准教授 (20590095)
相内 大吾 帯広畜産大学, 畜産学部, 助教 (50552783)
白水 貴大 帯広畜産大学, 原虫病研究センター, 特任研究員 (80804608)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2021年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
2020年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2019年度: 7,020千円 (直接経費: 5,400千円、間接経費: 1,620千円)
|
キーワード | 犬糸状虫 / ヤブカ / フィラリア / ベクター |
研究開始時の研究の概要 |
犬糸状虫症はペットで最も重大な致死性の寄生虫性感染症である。一般にはフィラリア症として知られるこの感染症を予防するためには、ペットの生涯にわたり抗寄生虫薬を投与し続ける必要がある。犬糸状虫症は蚊によって媒介される。そこで本研究では、どのようなメカニズムで犬糸状虫が蚊の体内で成長し、蚊によって媒介されるのか、そのメカニズムを分子レベルで明らかにすることを目指す。このような解析をもとに、犬糸状虫を媒介しない蚊によるフィラリア症の制御法の確立に寄与することを目指す。
|
研究成果の概要 |
本研究では犬糸状虫の感染に対して抵抗性表現型を示すネッタイシマカと反対に高い感受性を示すネッタイシマカの2系統を用いて、犬糸状虫の媒介メカニズムを分子生物学的・遺伝学的に解析した。その結果、ネッタイシマカの犬糸状虫に対するエフェクター分子の一つを同定することに成功した。また、感染抵抗性表現型が雌性随伴的に遺伝することの証明に成功した。この結果はフィラリアを媒介しない蚊を将来的に作出可能であることの実験的証明であった。以上、予防薬に依存しているフィラリア症の制御に対し新たなる視点として、病原体を媒介しない蚊によるフィラリアの制御につながる重要な成果を本研究により得ることに成功した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
犬糸状虫症、所謂イヌフィラリア症は伴侶動物で最も重要な致死性寄生虫感染症である。予防薬があるが耐性フィラリアの出現および、予防薬のみでは本症の根絶には理論上不可能との問題がある。したがって、対犬糸状虫には抜本的対策が必要と考えられる。 本研究では病原体を媒介しない蚊による犬糸状虫症の制御に繋げるための基盤的研究を展開した。その結果、蚊の抗犬糸状虫免疫応答で重要な分子を同定した。また、ネッタイシマカの犬糸状虫耐性表現型が雌性随伴性遺伝することを確認し、またフィールド由来蚊から犬糸状虫抵抗性の蚊を遺伝学的に分離する方法を見いだした。 本研究の更なる進展により犬糸状虫症の制圧に繋がることが期待される。
|