研究課題/領域番号 |
19H03124
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分42020:獣医学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
藤田 直己 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 助教 (10554488)
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研究分担者 |
大松 勉 東京農工大学, 農学部, 准教授 (60455392)
西村 亮平 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 教授 (80172708)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)
2021年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2020年度: 4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2019年度: 8,710千円 (直接経費: 6,700千円、間接経費: 2,010千円)
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キーワード | 犬 / 脊髄損傷 / 再生医療 / メカニカルストレス / 骨髄脂肪細胞周囲細胞 / 血管新生因子 / 間葉系幹細胞 / トレッドミルトレーニング / 脊髄再生医療 / リハビリテーション |
研究開始時の研究の概要 |
我々は犬骨髄由来MSCであるBM-PACが経静脈的に脊髄損傷部に移植することで、液性因子分泌能を介する組織学的・機能的修復が得られることを実験的に明らかにした。一方、SCI後の運動療法が脊髄でメカニカルストレス(MS)を発生させる可能性を見出した。MSは生体内で発生する細胞への機械的ストレスで、MSCの分化能や液性因子分泌能を強化することから、運動療法はMSを介して損傷部に移植されたMSCの機能強化に寄与する可能性が考えられた。本研究では、この可能性を検証し、脊髄におけるMSという概念を基に、脊髄再生医療とリハビリを融合させたSCIの新たな治療戦略の提案を目指す。
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研究成果の概要 |
犬の骨髄脂肪細胞周囲細胞(BM-PACs)にシアストレスが加わることで、血管内皮増殖因子(VEGF)の発現上昇が起こることを明らかにし、BM-PACsを用いた脊髄再生医療において、運動療法は移植されたBM-PACsにシアストレスを与え、血管新生作用を強化することで組織再生や機能改善の促進が期待された。実際に脊髄損傷による歩行困難を呈した犬に対し、BM-PACsの経静脈投与とリハビリテーションを組み合わせた治療の臨床試験を行ったところ、1例のみであったが、BM-PACs投与後、後肢随意運動の回復がみられ、さらにリハビリテーションを介入させることで、歩行可能なレベルへの改善がみられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年、自発的な回復が期待できない脊髄損傷に対し、さまざまな幹細胞を用いた再生医療の開発が医療および獣医療で進めらており、実際に臨床応用も行われるようになっている。本研究は、そのような再生医療が発展し、適応されるようになってもなお、リハビリテーションが重要な治療法でありうることを示し、また、再生医療によりもたらされる治療効果を相加的に向上させうる可能性を示すものである。メカニズムについては十分な検討には至らなかったが、再生医療において細胞の機能性を高める因子として、リハビリテーション(運動療法)により発生しうるメカニカルストレスという新たな概念を提唱しうるものと考えられた。
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