研究課題/領域番号 |
19H03125
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分42020:獣医学関連
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
堀 正敏 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 教授 (70211547)
|
研究分担者 |
江藤 真澄 岡山理科大学, 獣医学部, 教授 (20232960)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2021年度: 5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
2020年度: 5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
2019年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
|
キーワード | 平滑筋 / 血管 / 消化管 / フォスファターゼ / ミオシン / CPI-17 / 血圧 / 蠕動 / 子宮 / Rhoキナーゼ / ホスファターゼ / 高血圧 / 収縮 / 消化管運動 / 気管 / ノックインマウス / 平滑筋細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
ミオシンのリン酸化は、平滑筋細胞や多くの非筋細胞の収縮、細胞運動、遊走、物質透過 性、および細胞内物質輸送などに関与する。ミオシンのリン酸化はミオシン軽鎖キナーゼとミオシンホスファターゼ(MPPase)の活性バランスにより調節される。MPPase活性はPKC/CPI-17経路とROCK/MYPT1経路という二つの負の制御経路の調節を受けるが、これらの経路の生体内での生理・病態生理学的役割は依然不明である。本研究では、CPI-17に着目し、CPI-17変異体導入マウスと同欠損マウスを作出し、各管腔臓器の運動生理機能や疾患モデルでの病態発現におけるCPI-17の役割を解明する。
|
研究成果の概要 |
内臓管腔臓器の収縮弛緩を制御する一つの経路としてミオシンフォスファターゼ(MPPase)の阻害因子CPI-17のThr38のリン酸化によるMPPase阻害経路がある。本研究では、CPI-17のノックアウトマウス(KO)、非リン酸化模倣型の[Thr38Ser]CPI-17ノックインマウス(TS)を使って、正常血圧や正常消化管運動、さらに高血圧でのCPI-17の重要性を検証した。結果、正常血圧維持や食塩負荷高血圧発症にCPI-17は重要な役割を担うことが明らかになった。一方、正常な胃腸の輸送能維持にCPI-17は大きな役割を担わない、あるいは他の経路が代替する可能性が示唆された。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
CPI-17は多くの内臓臓器の運動を制御する平滑筋細胞特異的に発現するミオシンホスファターゼ(MPPase)の内因性阻害タンパク質であり、高血圧や、下痢や便秘、分娩異常、気管支喘息、失禁や頻尿など多くの疾患とも関連性がある。したがって、本研究で得られたCPI-17のin vivoでの生理・病態生理学的機能の解明は極めて学術的に高い研究であり、人や動物の健康維持にとっても極めて社会的意義の大きい基礎研究として位置づけられる。今後、さらに本テーマに関連する基盤研究の継続が、疾患治療薬の開発や臓器の老化研究の基盤構築にも繋がることが予測され、学術的にも社会的にも意義のある研究である。
|