研究課題/領域番号 |
19H03126
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分42020:獣医学関連
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研究機関 | 京都大学 (2021-2022) 東京大学 (2019-2020) |
研究代表者 |
関崎 勉 京都大学, 医学研究科, 研究員 (70355163)
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研究分担者 |
野澤 孝志 京都大学, 医学研究科, 准教授 (10598858)
遠矢 真理 順天堂大学, 医学部, 助教 (20804694)
中川 一路 京都大学, 医学研究科, 教授 (70294113)
黒木 香澄 (石田香澄) 国立感染症研究所, 薬剤耐性研究センター, 主任研究官 (80760272)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
16,900千円 (直接経費: 13,000千円、間接経費: 3,900千円)
2022年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2020年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2019年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
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キーワード | 豚レンサ球菌 / 細胞壁タンパク質 / 遺伝子破壊株 / 網羅的機能解析 / 病原性 / 細胞壁結合蛋白質 |
研究開始時の研究の概要 |
グラム陽性菌の細胞壁タンパク質は病原性に関連すると考えらえるが、20種類以上の全ての病原学的役割や複数のタンパク質の関連も評価できていない。豚レンサ球菌では、細菌表層の莢膜が細胞壁タンパク質の機能解析の妨げになっている。そこで、豚レンサ球菌の無莢膜株で、全ての細胞壁タンパク質遺伝子を個別または複数破壊した変異株を作製し、血小板への接着性、上皮細胞への侵入性・通過性、バイオフィルム形成能、オートファジー誘導性など病原性関連性状が変化した遺伝子の組合せを決定する。また、同じ組合せの遺伝子破壊株を莢膜保有株で作製し、実験動物で評価し、全ての細胞壁タンパク質の病原学的役割を網羅的に解明し尽くす。
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研究成果の概要 |
豚レンサ球菌(Streptococcus suis)の無莢膜株は,血小板などへの接着性が亢進する。本菌の2つの主要なclonal complexであるST1とST28に属する株の無莢膜株を用いて,それぞれの細胞壁タンパク質(CWP)遺伝子の全てについて,一ずつ遺伝子欠損(KO)変異株を作製したが,それらのバイオフィルム形成能,血小板接着性,細胞間マトリックス結合性,細胞接着性,細胞侵入性は,無莢膜の親株と差がなかった。一方,S. suis 21株および近縁菌種のS. parasuis 6株,S. ruminantium 6株,合計3菌種33株のドラフトゲノム配列から51種類のCWPを見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
多くのグラム陽性菌の表層には,細胞壁に共有結合するCWPが存在し,それらを細胞表層に提示する酵素sortaseの遺伝子を破壊すると,細胞への接着性が低下することが知られていた。一方,莢膜を欠損した菌は,血小板などへの接着性が亢進することも知られており,莢膜欠損株を用いてCWP遺伝子欠損株を作製すれば,どのCWPが接着性に直接関与するか評価できると考えられた。しかし,実際にはCWPは接着性には重要でないことが判明し,soretase遺伝子破壊による接着性の低下と莢膜を除いてCWPを露出させた場合における接着性の亢進が,全く異なるメカニズムにより起こるという学術的に価値ある新たな知見が得られた。
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