研究課題/領域番号 |
19H03131
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分42020:獣医学関連
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研究機関 | 日本獣医生命科学大学 |
研究代表者 |
盆子原 誠 日本獣医生命科学大学, 獣医学部, 教授 (50343611)
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研究分担者 |
佐々木 崇 札幌医科大学, 医学部, 講師 (50723897)
田崎 弘之 日本獣医生命科学大学, 獣医学部, 教授 (80231405)
呰上 大吾 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (80453934)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2021年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2020年度: 5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
2019年度: 7,930千円 (直接経費: 6,100千円、間接経費: 1,830千円)
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キーワード | 肥満細胞腫 / チロシンキナーゼ阻害剤 / 耐性化 / 個別化治療 / 犬 / トセラニブ / 耐性 / チロシンキナーゼ / KIT変異 / 猫 |
研究開始時の研究の概要 |
肥満細胞腫では、幹細胞因子受容体(KIT)を標的としたチロシンキナーゼ(TK)阻害剤が劇的に奏功する。一方で、治療経過とともに腫瘍は耐性を獲得し再進行する。申請者らは、この耐性化には 1) KIT遺伝子二次変異の出現、2) KITの側副シグナルの活性化、3) KITの過剰発現、4) これらとは異なる未知の分子機構の誘導、5) 耐性素因を持つ超微量集団の拡大 が単独あるいは複合して関与する可能性を見出した。これらの発見に基づき、本研究では、肥満細胞腫のTK阻害剤耐性化機構を多様性の観点から明らかにし、症例ごとの耐性化機構に応じた個別化治療戦略の構築を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究から、肥満細胞腫のTK阻害剤耐性化には、TK阻害剤暴露によるKIT変異の蓄積が重要であり、これによりKITにTK阻害剤耐性の二次変異が生じることが示された。また、腫瘍組織において予め超微量のTK阻害剤耐性クローンが存在している場合があることも示された。一方、犬の肥満細胞腫では様々な変異KITが検出されるが、変異の部位や種類からのみではTK阻害剤耐性を生じるか否かは予想できなかった。したがって、TK阻害剤耐性の克服に向けた個別化治療を構築する上では、次世代シーケンス解析など高精度で広範な遺伝子解析を用いた検査と検出された変異KIT蛋白の機能的特徴付けが重要と考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、犬の肥満細胞腫におけるチロシンキナーゼ阻害剤耐性化メカニズムの一端を明らかにした。また、この知見は耐性の克服に向けた新たな個別化治療の構築につながると考えられる。人においても同様の腫瘍が主に小児において発生し(人では肥満細胞症という)、チロシンキナーゼ阻害剤が奏功する場合がある。しかしながら、犬や猫の肥満細胞腫と同様に最終的に耐性が生じることが問題となっている。本研究から得られた成果は、小児肥満細胞症におけるチロシンキナーゼ阻害剤耐性の克服戦略の開発にも貢献する可能性が高く、社会的に重要な意義を持つ成果と考える。
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