研究課題/領域番号 |
19H03138
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分42030:動物生命科学関連
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研究機関 | 広島大学 (2020-2021) 九州大学 (2019) |
研究代表者 |
今村 拓也 広島大学, 統合生命科学研究科(理), 教授 (90390682)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)
2021年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2020年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2019年度: 8,840千円 (直接経費: 6,800千円、間接経費: 2,040千円)
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キーワード | ノンコーディングRNA / エピゲノム / 霊長類 / 脳 / 動物種差 / ノンコーディングRMA / オルガノイド |
研究開始時の研究の概要 |
脳の形態学的・機能的な違いは遺伝的に98%の相同性を示すヒト・サルでも明らかであり、実験動物として汎用されるマウスも、殆どの遺伝子セットを共通に利用していながら、独特な神経系を獲得している。一方、タンパクになれないノンコーディングRNAセットは種間多様度が極めて高い。本課題では、ノンコーディングRNAを高度に利用し、それにより、霊長類大脳皮質の遺伝子発現制御をげっ歯類細胞に再現することで、マウスのようなモデル実験動物種を異なる動物種の形質理解のために利用できるようにリソース化を目指す。
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研究成果の概要 |
本課題では,ヒト・非ヒト霊長類・マウスを分ける遺伝子発現制御機構に着目し,種に固有の臓器表現型をもたらす細胞の機能エピゲノムの違いと,それを基礎とした細胞同士の時空間相互作用の違いを,霊長類iPS細胞・脳オルガノイド・マウス個体の高度利用により定量的に解析した。神経幹細胞に着目した成果として、多数の動物種種特異的なノンコーディングRNA(pancRNA)が遺伝子活性化に関わることを明らかにした。これらのうち、多くのヒト特異的pancRNA制御下遺伝子が細胞の増殖に関連し、マウス個体への賦与した場合には、大脳の容積拡大に寄与できることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
従来、種を超えて高い相同性を示す分子の振る舞いを指標に、多細胞系の形成と機能化のロジックを解く研究が進められてきた。しかし、獣医学・畜産学領域ではさまざまな動物を取り扱うため、個体や臓器の高度な活用や疾病治療に向けては、種にしたがったロジックの違いをよく理解するための動物生命科学を発展させる必要がある。本研究により、種に固有の臓器形成メカニズムを司るネットワークモジュール群が明らかになりつつあり、今後は動物組織を適応・進化させる原動力を紐解くことで、疾病ゲノムから明らかにする従来型データ解析とは全く異なる礎とし、また、新しい実験動物提供等の応用基盤創出に繋げることが期待できる。
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