研究課題/領域番号 |
19H03139
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分42030:動物生命科学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
岩森 巨樹 九州大学, 農学研究院, 准教授 (70647362)
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研究分担者 |
岩森 督子 九州大学, 農学研究院, 特別研究員(RPD) (10711509)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2021年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2020年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2019年度: 7,410千円 (直接経費: 5,700千円、間接経費: 1,710千円)
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キーワード | 精子幹細胞 / 老化 / エピジェネティクス / ヒストン脱メチル化酵素 / JMJD3 / UTX / エネルギー代謝 / オートファジー |
研究開始時の研究の概要 |
雄個体の繁殖能力は加齢に伴って低下する。我々はヒストンH3リジン27(H3K27)メチル化制御が精子幹細胞の老化に関与することを見出した。本研究では精子幹細胞における老化現象を分子的に理解することを目的とし、H3K27脱メチル化酵素を中心としたエピジェネティック制御ネットワークの解明、特に加齢に伴うエピゲノム変化と老化現象との関連性に注目し、エピゲノム制御による幹細胞抗老化(若返り)の可能性を探る。
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研究成果の概要 |
我々は以前JMJD3を雄生殖細胞特異的に欠損させ、幹細胞脱分化を含む繁殖能力の抗老化現象を見出した。そこで、精子幹細胞におけるJMJD3制御ネットワークを解析し、精子幹細胞老化メカニズムを理解することを目的とした。精子幹細胞RNA-seq主成分分析の結果、老齢JMJD3欠損精子幹細胞の若返りが示唆され、特に加齢による脂質・脂肪酸代謝の機能低下がJMJD3欠損により抑制されることを見出した。またUTXは幹細胞制御には関与せず、一方、関連因子として同定したCDYL2が精子幹細胞制御に関わることを見出した。今後、幹細胞老化・若返りの責任因子、経路を特定し、効率的幹細胞制御法の開発を目指す。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究ではJMJD3を欠損させると精子幹細胞を若返らせることができるという成果が得られた。本成果は逆説的にはJMJD3が幹細胞老化に重要な役割を持つことを示唆する。また、本研究から派生して、JMJD3を欠損させると神経幹細胞の脱分化が亢進することも見出した。JMJD3を欠損させるとiPS細胞作製効率も向上することから、JMJD3と脱分化の深い関連性が想定される。JMJD3制御ネットワークを人為的に操作することで培養下の幹細胞を効率的に増幅することも可能であるばかりでなく、様々な幹細胞における高効率幹細胞培養法の開発が可能となり、再生医療や家畜増産など広範な応用が期待できる。
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