研究課題/領域番号 |
19H03154
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分43010:分子生物学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
深谷 雄志 東京大学, 定量生命科学研究所, 准教授 (00786163)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2021年度: 5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
2020年度: 5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
2019年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
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キーワード | ショウジョウバエ / エンハンサー / 転写バースト / 転写因子 / ライブイメージング / ショウジョウバエ初期胚 / 天然変性領域 / 転写 / インシュレーター |
研究開始時の研究の概要 |
転写制御に働く調節DNA領域はエンハンサーと呼ばれ、転写因子やコアクチベーターとの結合を介して発生過程に応じた遺伝子発現の緻密な時空間制御を可能にしている。申請者のこれまでの研究により、エンハンサーは標的遺伝子と一対一の安定的なループ構造を形成するのではなく、むしろ転写を活性化する微小環境を核内に生み出すことで動的に転写制御に働くという新規作用機序の存在が強く示唆された。本研究では、DNAを足場として転写活性化因子が局所的に濃縮された「動的な核内微小環境」の形成こそがエンハンサー作用機序の本質であるという新たな可能性について多面的に検証を行い、その解明に取り組む。
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研究成果の概要 |
転写因子の核内動態と、遺伝子発現を同時に可視化する超解像ライブイメージング技術を新たに構築することに成功した。詳細な解析の結果、エンハンサーが転写因子の局所濃度の動的変化を介して、遺伝子発現の時空間動態を緻密に制御していることを解明した。さらに、ゲノム上に離れて存在する2つの異なる遺伝子が、転写因子が局所的に濃縮された場を共有することで、同時制御されるという新たな遺伝子発現制御機構を発見した。ショウジョウバエ個体を用いたゲノム編集解析により、転写因子の局所濃度の制御に異常が生じることによって、遺伝子発現の時空間的なパターンが乱れ、結果として形態形成に著しい破綻が生じることも実験的に示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、生物の持つゲノム情報がどのように正確に読み出されているのか、というセントラルドグマにおける基本原理の謎の解明につながる画期的成果である。また、転写因子の異常凝集は癌をはじめとするさまざまな疾患との関連が報告されていることから、本研究によって得られた知見はは多様な疾患メカニズムの解明や新規治療法の開発へ向けた基盤的知見となるものと期待される。
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