研究課題/領域番号 |
19H03160
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分43010:分子生物学関連
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研究機関 | 国立遺伝学研究所 |
研究代表者 |
村山 泰斗 国立遺伝学研究所, 新分野創造センター, 准教授 (60531663)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
17,160千円 (直接経費: 13,200千円、間接経費: 3,960千円)
2021年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
2020年度: 5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
2019年度: 6,110千円 (直接経費: 4,700千円、間接経費: 1,410千円)
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キーワード | 染色体分配 / 姉妹染色分体間接着 / コヒーシン / 複製 / 試験管内再構成 / 生化学 |
研究開始時の研究の概要 |
遺伝情報を担う染色体は、細胞分裂の度に複製され、娘細胞へと正確に分配される。2本の染色分体は、複製直後から物理的に接着して核内に存在する。この接着は、有糸分裂において正確な染色体分配を保証し、故に次世代へ遺伝情報を継承する為に不可欠である。 コヒーシンはリング構造のタンパク質複合体で、接着を形成する本体である。この複合体は、リングの中にDNAを取り込むユニークなDNA結合を持つ。しかし、コヒーシンがどのようにDNAと結合し、接着を形成するのか不明である。本研究は、精製タンパク質を用いて、コヒーシンの機能的なDNA結合反応を試験管内で再構築し、姉妹染色分体間接着形成の分子メカニズムの解明を目指す。
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研究成果の概要 |
細胞分裂における染色体分配の正確性は、コヒーシンによって形成される複製された染色体の接着構造に依拠する。コヒーシンはリング構造のATPase複合体で、リング内にDNAを通すトポロジカルDNA結合を介して姉妹染色分体間接着を形成すると考えられているが、その分子機構は不明な点が多い。本研究は、精製したコヒーシンを用いてDNA結合反応を試験管内再構成し、特に補助因子ローダーによるコヒーシンの活性化機構について解析した。これにより、コヒーシンがDNA上でローダー複合体と高次複合体を形成し、またローダーが持つDNA結合活性を介してコヒーシンのトポロジカルDNA結合を促進するという機構が明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
遺伝情報の担体である染色体の正確な分配・継承は全ての生物に必須であり、その要となる姉妹染色分体間接着の破綻は、染色体異常疾患や不妊等と密接に関連することが報告されている。本研究は、接着形成の本体であるコヒーシンについて、その機能の中核となるトポロジカルDNA結合反応を生化学的再構成により詳細に解析することで、接着形成初期段階の分子機構の一旦を明らかにした。本研究で得られた知見は、染色体研究分野を中心とした基礎研究の貢献に加え、ゲノム不安定性に由来するヒト疾患や機能不全の分子病態の理解に寄与する。
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