研究課題/領域番号 |
19H03163
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分43020:構造生物化学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
加藤 英明 東京大学, 大学院総合文化研究科, 准教授 (80805961)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2021年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 6,110千円 (直接経費: 4,700千円、間接経費: 1,410千円)
2019年度: 6,890千円 (直接経費: 5,300千円、間接経費: 1,590千円)
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キーワード | クライオ電子顕微鏡 / GPCR / ニューロテンシン受容体 / Gタンパク質 / アレスチン / 創薬 / 膜タンパク質 |
研究開始時の研究の概要 |
ニューロテンシン受容体(NTSR)は体温調節、摂食行動、痛覚などに関与するGPCRである。通常、GPCRは特定の種類のGタンパク質を特異的に活性化するが、NTSRはあらゆる種類のGタンパク質を活性化可能と考えられている。しかし、その構造基盤は未知であり、このことがNTSRの生理的機能の解析やNTSRをターゲットとした創薬を困難にしている。本研究では、2種のシグナル因子とNTSRの複合体構造解析を行い、その複合体構造同士を比較することでNTSRが持つGタンパク質認識の分子基盤を明らかにする。更には、得られた構造情報から、特定のシグナルを制御する低分子の設計を目指す。
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研究成果の概要 |
ニューロテンシン受容体(NTSR1)-Gi1複合体、NTSR1-アレスチン複合体についてそのcryo-EM構造を決定し、NTSR1によるGi1タンパク質やアレスチンの認識機構や活性化機構の一端を明らかにすることに成功した。それらの結果をまとめ、学術誌Natureに2報の論文を発表するに至っている。さらに、NTSR1-GoA, Gq複合体のcryo-EM構造を決定し、Gタンパク質認識や会合における素過程のさらなる詳細解明に成功している(現在論文執筆中)。現在は、得られた構造情報を利用しin silico screeningを行うことでバイアストアロステリックモジュレーターの探索を行なっている。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ニューロテンシン受容体1(NTSR1)は体温調節、血圧調節、摂食行動、痛覚などに関与するGPCRである。NTSR1はあらゆる種類のGタンパク質を活性化可能であるが、その構造基盤は未知であり、このことがNTSR1の生理的機能解析やNTSR1をターゲットとした創薬を困難にする一因となっている。本研究ではNTSR1と各種Gタンパク質やアレスチンの複合体構造解析を行い、その複合体構造同士を比較することで、NTSR1が持つGタンパク質やアレスチン認識の分子基盤の一端を明らかにした。こうした成果は、将来的に毒性や副作用の少ない鎮痛剤、摂食障害やがん、統合失調症などの治療薬開発に結びつく可能性が期待される。
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