研究課題/領域番号 |
19H03170
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分43020:構造生物化学関連
|
研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
禾 晃和 横浜市立大学, 生命医科学研究科, 准教授 (40379102)
|
研究分担者 |
岩崎 憲治 筑波大学, 生存ダイナミクス研究センター, 教授 (20342751)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)
2021年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2020年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2019年度: 9,230千円 (直接経費: 7,100千円、間接経費: 2,130千円)
|
キーワード | 構造生物学 / X線結晶解析 / 電子顕微鏡解析 / 分子認識 / 膜タンパク質 / 立体構造解析 / 電子顕微鏡 / X線結晶構造解析 |
研究開始時の研究の概要 |
細胞膜上に発現するシグナル分子前駆体の膜内配列を特異的に切断することでシグナル伝達を開始する膜内切断プロテアーゼ(I-CLiP)を研究対象とし、X線結晶解析と電子顕微鏡イメージングを複合的に用いることで立体構造を決定する。標的タンパク質にタグ配列を移植し、抗体断片を結合させることで、X線結晶解析では結晶化能を向上させ、電子顕微鏡イメージングでは分子配向の決定を効率化する。最終的には基質複合体の構造決定を行うことで、疎水的な細胞膜内という特殊な環境において基質特異性を生み出す構造的要因の解明を目指す。本研究の成果は、膜内配列切断におけるシグナル伝達制御のストラテジーの確立へと繋がると期待される。
|
研究成果の概要 |
本研究では、RsePの基質の選別・認識の分子機構を明らかにすることを目指し、X線結晶解析と電子顕微鏡解析を組み合わせて、大腸菌由来のsite-2 proteaseホモログであるRsePとそのオルソログの立体構造解析に取り組んだ。超好熱菌由来のオルソログに関しては、PAタグを移植してNZ-1抗体のFab断片を結合させた試料を用いて電顕解析を行い、PDZタンデムのコンフォメーションを推定した。さらにRsePと海洋性細菌由来のオルソログに関しては、X線結晶構造を決定することにも成功し、基質との相互作用様式や切断促進の分子機構の理解が深まった。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究ではRsePの立体構造を初めて明らかにすることに成功し、これまでのsite-2 proteaseファミリーの構造研究の停滞状況を打開することができた。膜内切断プロテアーゼは、アルツハイマー病やパーキンソン病などのヒトの疾患に関わるとともに、細菌、ウイルス、原虫など様々な病原体の感染にも関わっている。Site-2 proteaseファミリーは、特に細菌感染症と密接な関係があることから、本研究で明らかになった知見は、今後、細菌感染のメカニズムの解明や新規の治療法の開発に貢献すると期待される。
|