研究課題/領域番号 |
19H03175
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分43030:機能生物化学関連
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研究機関 | 公益財団法人東京都医学総合研究所 (2020-2022) 東京大学 (2019) |
研究代表者 |
吉種 光 公益財団法人東京都医学総合研究所, 基礎医科学研究分野, 副参事研究員 (70569920)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,160千円 (直接経費: 13,200千円、間接経費: 3,960千円)
2022年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2019年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
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キーワード | 概日時計 / DNAシスエレメント / CRISPR-Cas9 / システムバイオロジー / 転写ネットワーク / ゲノム編集 / 転写制御 / 体内時計 |
研究開始時の研究の概要 |
1日周期で繰り返す生理機能リズムは、生物が地球環境の24時間サイクルに適応して獲得した生体システムであり、このリズムを生み出す機構は概日時計と呼ばれる。哺乳類では、さまざまな組織において特徴的な遺伝子にリズム性が見られ、約43%もの遺伝子は全身のどこかの臓器においてリズミックに発現していることが報告された。そのため、体内時計の破綻は、高血圧、発癌、免疫異常、代謝異常、白内障、高次脳機能障害、など様々な疾病の発症リスクを増大させる。本研究では、時計シス配列に着目したゲノム編集技術を大規模に展開し、24時間周期の時計振動の仕組みと、そこからの時計機能出力に不可欠な転写制御を同定する。
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研究成果の概要 |
数多くの遺伝子のmRNA量にリズム性が報告されているが、その中でどの遺伝子の転写リズムが時計振動に不可欠なのか、根本的な問いが実は未解決である。また、複数の時計シス配列が各遺伝子のゲノム周辺に存在するため、時計シス配列のうちいずれが各遺伝子の転写リズムに必要なのかも不明であった。本研究では時計遺伝子Bmal1に着目し、その転写制御領域にある2つのRREを欠損することによりmRNAリズムを一定にすることに成功した。しかし驚くべきことに、Bmal1の転写リズムがない条件においても時計振動がほぼ正常に継続することを見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
遺伝子そのものではなく、その転写制御配列をゲノム編集することにより、その転写制御の重要性を示すことができる、ということを証明した。Bmal1遺伝子は、遺伝子の欠損により時計振動は停止するが、その転写リズムを一定にしても時計振動は停止しなかった。このような研究戦略は、転写リズムを持つ遺伝子に対してのみならず、概日時計分野に限らず広い研究分野に対して、遺伝子そのものではなく、遺伝子の転写制御の意義を評価する上で、効果的であると期待される。
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