研究課題/領域番号 |
19H03178
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分43030:機能生物化学関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
大川 妙子 (西脇妙子) 名古屋大学, 生命農学研究科, 准教授 (30432230)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
17,810千円 (直接経費: 13,700千円、間接経費: 4,110千円)
2021年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2020年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2019年度: 11,180千円 (直接経費: 8,600千円、間接経費: 2,580千円)
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キーワード | 概日時計 / ケミカルバイオロジー / 標的同定 / ゲノムワイドノックアウトスクリーニング / 概日リズム / 標的探索 |
研究開始時の研究の概要 |
生物は昼夜の環境変化への適応に概日時計を利用しており、様々な生理機能は概日時計に制御され約1日周期で活性が変動する。また概日時計は光により時計の時刻(位相)を調節できる。現在、周期が約1日になる仕組みや位相調節の機構についてはほとんど明らかになっていない。これまでに周期や位相を変化させる化合物が数多く得られており、これらが細胞内のどのタンパク質を標的として効果を示すのかが解明されれば、問題解決の手がかりになると期待される。本研究では、現行の手法の弱点をふまえた新たな手法を開発し化合物の標的同定に利用するとともに、得られた結果を数理生物学の専門家と共同で解析し、周期や位相の調節機構を理解する。
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研究成果の概要 |
遺伝学的手法による標的同定については、ゲノムワイドノックアウトライブラリーをヒト二倍体細胞株に導入し、約3,000クローンのリズムを測定した。その結果約0.5%のクローンにおいて概日リズムの周期や振幅の変化が観察された。今後は化合物の非存在化、および存在化において測定を行い、化合物に対する応答が野生型と異なる細胞を単離し化合物の標的同定を目指す。また本手法により、新規概日時計遺伝子を同定できる可能性もある。 概日リズムの周期を短縮する化合物ピクロトキシニンの誘導体展開により1,000倍の高活性を示す化合物が得られた。今後は新規誘導体を用いて再度アフィニティ精製を行い、標的同定を目指す。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
様々な生理活性は内因性の振動体「概日時計」により制御され、約24時間周期の「概日リズム」を刻む。概日リズム異常は、心血管疾患や代謝異常等の生活習慣病、精神疾患、がんなどと密接な関連がある。また動物の繁殖の季節性は概日時計によって制御されている。概日時計調節化合物の標的の同定を通じて、概日時計発振機構の全貌が解明されれば、上記疾患の予防や治療法の開発、産業動物の繁殖効率の向上など様々な波及効果が期待される。
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