研究課題/領域番号 |
19H03179
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分43030:機能生物化学関連
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研究機関 | 静岡県立大学 (2020-2022) 京都大学 (2019) |
研究代表者 |
原 雄二 静岡県立大学, 薬学部, 教授 (60362456)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,160千円 (直接経費: 13,200千円、間接経費: 3,960千円)
2021年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2020年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2019年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
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キーワード | 骨格筋再生 / 骨格筋幹細胞 / 機械受容イオンチャネル / PIEZO1 / 細胞分裂 / 筋衛星細胞 / 筋幹細胞 / 筋再生 / PIEZO1イオンチャネル |
研究開始時の研究の概要 |
骨格筋筋線維の再生過程は、運動機能のみならず生体全体の恒常性維持に重要な役割を果たす。成体における筋幹細胞(筋衛星細胞)から派生した筋芽細胞は、互いに融合しあうことで、多核の細胞体(筋管)を形成し成熟筋線維へと分化する。しかし筋再生時における各素過程の分子基盤は未だ明らかではない。 本研究では、我々の最近の知見をさらに発展させ、「リン脂質フリッパーゼによるホスファチジルセリンをはじめとするリン脂質の輸送が、機械受容イオンチャネルPIEZO1の活性化を介して、筋再生をもたらす」という作業仮説の実証・深化を目指す。本研究遂行により筋線維の再生過程ひいては筋恒常性維持機構の全容解明が期待される。
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研究成果の概要 |
骨格筋を構成する筋線維は高い再生能を有しており、筋収縮・弛緩に伴い発生する筋損傷に応じて筋線維を再生・修復することで、筋恒常性の維持に重要な役割を果たす。筋再生過程の中心として機能する骨格筋幹細胞について、物理的な力を感知する機構(機械受容)の関与が示唆されてきたが、その分子機構は未だ明らかではない。 本研究では、筋幹細胞にて高発現する機械受容イオンチャネルPIEZO1に着目した。Piezo1遺伝子欠損マウスの解析等により, PIEZO1は筋衛星細胞における増殖、細胞分裂、細胞遊走にて重要な役割を果たすことを見出し、Life Science Alliance誌に発表した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究にて、PIEZO1は細胞分裂期に分裂溝に集積すること、Piezo1欠損筋幹細胞では分裂期の遅延等を介した筋再生不良が認められたことから、PIEZO1は筋再生の最上流にて機能する因子であることが示された。一方で、一般的な培養細胞株にてPIEZO1を欠損させても明確な分裂不全の表現型は見られないことから、幹細胞特異的かつPIEZO1依存的な新規分裂過程が存在する可能性を示している。さらに、本研究で明らかにされたPIEZO1が機械刺激を感知する機構は、筋幹細胞による筋再生能の解明のみならず、骨格筋における多様な病態発症に対して重要な知見をもたらすと期待される。
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