研究課題/領域番号 |
19H03182
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分43030:機能生物化学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
南野 徹 大阪大学, 生命機能研究科, 准教授 (20402993)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2021年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
2020年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
2019年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
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キーワード | 細菌 / 蛋白質 / 遺伝学 / 電子顕微鏡 / 感染症 / 1分子計測 / 一分子計測(SMD) / 1分子計測 (SMD) / 一分子計測(SMD) / 1分子計測 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、べん毛タンパク質輸送の交通整理のしくみを原子レベルで解明するため、最も本質的な部分を担うFliKc, FlhBc, FlhAcに焦点を合わせ、遺伝学・生化学的解析、X線結晶構造解析、高速AFM計測による動態解析を実施します。具体的には1) 過渡的に形成されるフックシグナリング複合体の相互作用ネットワークの解析、2) フックの完成に伴うFlhACリング複合体の機能変化の解析、3) 高速AFMによるFlhAcリング複合体を中心とした動的相互作用ネットワークの可視化を実施します。
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研究成果の概要 |
細菌の運動器官であるべん毛を作るために必要な部品は、その根本に存在する独自の輸送装置により運び出される。べん毛輸送装置は多種類の部品をランダムに運び出すのではなく、フックとその先に長く伸びるべん毛繊維の明確に区別して規則正しい順番で送り出す。本研究では、べん毛輸送装置が、分子物差しの役割を果たす蛋白質を時折送り出すことで細胞外に伸びるフックの長さを計測し、その情報にもとづいて輸送装置の基質特異性を切り替えることでフックの成長を止めてべん毛繊維の成長を開始するしくみを原子レベルで明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
細菌感染症対策の主流である抗菌剤に対して多剤耐性菌の出現により治療困難な感染症が増加しているなか、抗菌剤に代わる新たな治療薬開発が求められている。WHOの調査によれば、数十年後には細菌感染者数の死者数が癌による死者数を上回ると予想されており、抗菌剤に代わる新たな治療薬の開発が急務となっている。細菌感染症に直接関与するべん毛は病原性細菌の生育にとっては必須でないことから、本研究で解明したFlhACの作用機序を直接ターゲットにした効率的な創薬スクリーニングが可能となり、社会的にも大きな課題となっている新興細菌感染症を制御する新技術の開発に直結すると期待できる。
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