研究課題/領域番号 |
19H03195
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分43040:生物物理学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
林 重彦 京都大学, 理学研究科, 教授 (70402758)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2021年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
2020年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
2019年度: 6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
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キーワード | 分子シミュレーション / ハイブリッド法 / ロドプシン光受容体 / リボザイム / 薬剤耐性 / 酸化還元タンパク質 / 光受容体チャネル / 生体分子機能 / 分子進化 / チャネルロドプシン / イオンポンプ / QM/MM 法 / MD シミュレーション |
研究開始時の研究の概要 |
多くの機能性タンパク質は、複数の化学現象を相関させる機能共役性と、進化における突然変異による機能の多様化を可能にする機能可変性を有する。これらの顕著な性質は、タンパク質分子に特徴的な分子構造ダイナミクスに大きく関係している。そこで、機能に関わる化学反応過程とタンパク質の大域的構造変化の相関を直接解析することが出来る独自の分子シミュレーションの手法を用いて、光遺伝学で用いられる光感受性イオン輸送体タンパク質と指向性進化実験で作られたホモログ酵素の間の機能変換、及びタンパク質酵素との比較を与えるリボザイムの酵素活性に関する理論的解析を行い、分子進化や酵素の新機能開発に向けた原子レベルの理解を得る。
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研究成果の概要 |
本研究では、我々の開発した QM/MM RWFE-SCF 法を用いて、生体高分子の機能共役性と機能可変性に関して、以下の 5 つの生体分子系に関して理論的な研究を行った (1) 光感受性イオンチャネル輸送体である微生物型ロドプシン GtACR1 の光活性化、(2) 光感受性イオンポンプ輸送体である微生物型ロドプシン NpHR の光活性化、(3) ハンマーヘッドリボザイムの酵素触媒活性機構、(4) HIV プロテアーゼの薬剤耐性分子機構、(5) シトクロム c の酸化還元過程。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
タンパク質や核酸などの生体高分子は顕著な分子機能を有する。特に顕著な分子機能性は、共役性と可変性である。多くの機能性タンパク質分子は、複数の化学現象を相関させる共役性を有する。このような機能共役性の解明は、そのタンパク質が関わる疾病に対する治療薬開発の幅を大きく拡げると共に、新規な機能性分子の設計指針の構築に大きく寄与をする。また、機能可変性の解明は、薬剤耐性への解決に重要となるのみならず、機能変換をもたらすアミノ酸変異の効率的な探索が重要となるタンパク質工学による機能性タンパク質分子ツールの開発に重要な指針を与える。
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