研究課題/領域番号 |
19H03200
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分43040:生物物理学関連
|
研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
由良 敬 早稲田大学, 理工学術院, 教授(任期付) (50252226)
|
研究分担者 |
鈴木 博文 早稲田大学, ナノ・ライフ創新研究機構, 次席研究員(研究院講師) (60418572)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2021年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2019年度: 6,760千円 (直接経費: 5,200千円、間接経費: 1,560千円)
|
キーワード | 発光タンパク質 / 分子進化 / 発光メカニズム / データベース / コンピュータシミュレーション / ゲノム塩基配列 |
研究開始時の研究の概要 |
生物発光は、太古から人類を魅惑してきた。近年、生物発光の原因分子(タンパク質と低分子)、およびその発光機構が明らかになり始めており、発光タンパク質を利用した実験試薬も数多く登場している。しかし、生物発光の一番の問題である発光の進化については、今でも様々な議論がなされており、明らかになっていないことが多い。そこで本研究では、今までに確かめられているにもかかわらず散逸してしまっている情報を収集し、それらの発光機構をコンピュータシミュレーションすることで、発光タンパク質の分子進化を明らかにすることをめざす。
|
研究実績の概要 |
20世紀の前半から、人類は地球の様々な空間の探索を行い、それにともないさまざまな発光生物の存在を報告してきた。大場裕一(中部大学)らは発光生物の情報を徹底的に収集し、その情報を「発光生物リスト・プロジェクト (LLL)」としてウェブ上に公開している。研究代表者はこのリストを出発点にし、その後に同定された発光生物を加え、これらの発光生物がもつ発光分子(タンパク質と低分子)を徹底的な文献検索で見いだし、発光生物と発光部位、発光タンパク質、発光低分子を接続した公開データベースの作成に取りかかった。2022年度においては、データベースBioHiKR (http://www.biohikr.life/)のデータをさらに増強すると共に、昨年度変更したデータ構造にもとづき継続的な運営ができるようになったことを確かめた。 2020年に館山で取得したウミホタルのゲノムデータ解析を進めた。ミトコンドリアのゲノム構築は完了し、日本の他の地域に生息するウミホタルおよび館山で過去に取得したウミホタル由来のミトコンドリアゲノム塩基配列と比較したところ、塩基置換が想定よりも多く存在することがわかった。核ゲノムの塩基配列断片から、ルシフェラーゼおよびルシフェリン合成用酵素の配列取得を試みたが、今のところ見出すことができていない。 2022年6月には、野外調査において発光中のゲンジボタルをとらえ、発光時のトランスクリプトーム解析を実施した。夕暮れから早朝までの3時間おきにゲンジボタルを確保し、それらの頭部、胸部および尾部で発現しているRNAの配列を決定することができた。これらの発現RNAの中にはルシフェリンをルシフェラーゼに供給することに関与するタンパク質が存在することが期待され、現在バイオンフォマティクス解析をおこなっている。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2022年度は交通事故を2回経験し、通院治療を続けることになったため、当該研究に十分な時間をついやすことができなかった。また研究協力者であった学生が研究から離脱したこともあり、研究を順調に進めるのは大変困難な状況に陥っていた。それらのことから2022年度に予定していた案件の多くを次年度に持ち越すこととなった。
|
今後の研究の推進方策 |
2023年度は、当該研究の最終年度となるため、データベース構築と発光機構を明らかにするためのシミュレーションを進めていく予定である。
|