研究課題/領域番号 |
19H03211
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分43050:ゲノム生物学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
原田 哲仁 九州大学, 生体防御医学研究所, 准教授 (60596823)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
17,030千円 (直接経費: 13,100千円、間接経費: 3,930千円)
2021年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2020年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2019年度: 6,110千円 (直接経費: 4,700千円、間接経費: 1,410千円)
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キーワード | クロマチン / ヒストン置換 / H3t / 精子形成 |
研究開始時の研究の概要 |
精子形成過程では、「次世代へ伝播される遺伝情報」を形成するためクロマチン構造の再構成が起こる。この過程で起こる精子形成固有の現象が、体細胞型のヒストンから精巣特異的ヒストンへの置換である。我々はこれまでに、精子細胞には複数の機能未知のヒストンが発現しており、そのうちヒストンH3tは精子形成の最初期に必須であることを報告し、精子形成過程ではH3tを起点に従来の知見を超えた多彩且つ複雑なヒストン置換が起こっている可能性が高いことを示した。そこで、本研究では、体細胞型ヒストンから精子特異的ヒストンバリアントH3tへの置換を起点として、精子形成過程でのクロマチン構造変換とその制御機構の解明を目指す。
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研究成果の概要 |
精子形成過程におけるH3tの取り込み位置の挙動変化をChIL-seqにより評価した。精祖細胞におけるH3tの局在を可視化したところ、H3t がドメインを形成し、その周囲にH3.1/2が局在している例が多数見受けられた。また、体細胞型ヒストンH3.1/2は減数分裂以前から精子細胞のゲノムに取り込まれていたことから、H3tは体細胞型ヒストンH3.1/2と置換されることで、減数分裂期に機能していることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまでに精巣特異的に発現するヒストンバリアントの同定とその機能解析が行われてきたが、その多くがプロタミン置換などの精子形成過程の後期に関与していることが報告されている。一方で、ヒストン修飾酵素の研究により、減数分裂期に必須の酵素などが同定されている。本研究成果は精子形成の初期に機能しうるヒストンバリアントが作るクロマチン構造の存在が明らかとなった。これまでのヒストン修飾酵素などの知見と相俟って、生殖細胞形成におけるクロマチン動態の全容解明の一助となった。
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